— 30秒でわかる結論 —

Q. 夫婦で飲食店を開業します。融資審査で夫婦経営は不利になりますか?

不利ではありません。むしろ「二人の経験と役割」を計画で語れれば強みになります。審査側が知りたいのは——①誰が代表で、調理・接客・経理を誰が担うか(二人いる必然性)②二人の経験の合算で計画の実現性が上がるか(例:夫が調理10年+妻が接客と経理)③自己資金は誰の名義で、どう貯めたか④生活費はどう賄うか(家計と事業の分離)。夫婦経営は人件費を抑えて立ち上げられる現実的な強みもあります。一方で、事業のリスクが世帯に集中する構造でもあるため、生活防衛資金を事業資金と別に確保する設計をおすすめします。

創業相談で、ご夫婦・親子でいらっしゃるケースは少なくありません。そして必ず聞かれます——「家族でやるって、審査的にどうなんですか?」。答えは「設計次第で強みです」。その設計を解説します(2026年7月時点の実務整理)。

審査側の目線——「二人いる必然性」を語れるか

家族創業の計画書で弱いのは、役割が曖昧なもの——「二人で頑張ります」。強いのは、機能で分担が語れるもの——「代表の夫が調理(イタリアン10年)、妻が接客・シフト・経理(販売職8年+簿記)」。一人創業の弱点である「全部一人」問題が構造的に解消されていることを、経歴と役割の対応表で示せると、計画の実現性評価は確実に上がります(面談での語り方)。

お金の3論点——名義・出所・家計分離

論点整理のしかた
自己資金の名義配偶者・親の預金も世帯の資金力として考慮され得る。誰の口座か・移す場合は贈与の整理を(自己資金の考え方
貯まり方の説明共働きの積立は「世帯の計画性」の証明になる
家計との分離当面の生活費の原資(片方の給与継続・生活防衛資金)を計画に明記

親子創業ならではの論点——「承継」の物語

親の事業を子が引き継ぎつつ新装開業する形は、「実績ある事業の若返り」という強い物語になります。既存の顧客・取引先・設備は計画の裏付けそのもの。一方で、代表を親子どちらにするか、既存の借入・許認可の引き継ぎ、そして他の相続人との関係(事業用資産の承継)は、早めに整理すべき論点です——ここは行政書士として、許認可の承継と合わせてお手伝いできる領域です(建設業の承継の例)。

家族だからこそ、書面を

最後に、支援者として正直な注意を。共同の事業は、うまくいかない時に家族関係ごと痛む構造です。だからこそ——役割と最終決定権、お金の取り決め(役員報酬・経費)、万一やめる時の精算——を、仲の良いうちに書面にしておくことを勧めています。夫婦・親子の合意書づくりは、疑いではなく関係を守る設計。契約書を扱う行政書士として、この「家族の取り決め」の文書化も、創業融資(窓口ガイド)・開業工程とセットで支援しています。

📍 千葉県ローカルメモ|東葛は「片翼創業」がしやすい立地

松戸・柏・流山エリアは、都内勤務の配偶者の収入を家計の支えにしながら、もう一方が地元で開業する「片翼創業」がしやすい立地です。世帯全体の資金設計を含めた創業計画づくりをご一緒します。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

夫婦創業のご相談で、私は必ず「喧嘩したときのルールも決めましょう」とお伝えします。縁起でもない、と笑われますが——愛情と経営は別の技術。両方を守るのが、書面の役割だと思っています。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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