— 30秒でわかる結論 —

Q. 保育所や訪問看護で障害児・医療的ケア児に関わった経験は、訪問支援員特別加算の従事歴に入りますか?

前の職場が保育所や訪問看護で、その年数を訪問支援員特別加算に数えてよいか迷っている方へ。障害児や医療的ケア児に対する業務経験であれば、含まれます。ただし資格取得前の経験は数えず、1年あたり180日以上の勤務が想定されています(こども家庭庁 令和6年度報酬改定(障害児支援)Q&A VOL.6 問7・VOL.1 問51(2026年10月14日確認))。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 保育所や訪問看護から来る職員を、千葉県に訪問支援員特別加算の対象として届け出てよいか迷っている方
  • 保育所等訪問支援・居宅訪問型児童発達支援を始める前に、職員の経歴で(Ⅰ)(Ⅱ)のどちらに届くか確かめたい方
  • 非常勤の時期や資格を取る前の経験を、何年として数えるか分からない管理者・児発管の方

ご相談いただくと、こう進みます

  1. 最初の60分の無料相談で、訪問支援員にしたい職員の経歴を年ごとに並べ、どの期間が入りそうかを一緒に見ます
  2. ご依頼後は、従事歴の整理表と証明の書類をそろえ、加算の届出まで進めます
  3. その後は、職員の入れ替わりや年数の到達のたびに、同じ整理表で(Ⅰ)(Ⅱ)を見直します

「前の職場は保育園と訪問看護。そこでの経験は、訪問支援員特別加算の年数に入りますか?」と迷っている方へ。障害児や医療的ケア児に対する業務経験なら、含まれます

保育所等訪問支援を始める、または居宅訪問型児童発達支援で訪問支援員を採用する。候補の職員は、保育士として保育所で障害のある子を担当してきた人や、看護師として訪問看護で医療的ケア児を見てきた人。その年数を訪問支援員特別加算の従事歴に数えてよいか、迷う場面です。国のQ&Aにも、ほぼそのままの質問が載っています。「要件として求められる「障害児に対する直接支援の業務、相談支援の業務その他これらに準ずる業務」の従事歴に、保育所や訪問看護での障害児や医療的ケア児に対する業務経験は含まれるか。」

答えは「含まれる」です(制度。こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A」VOL.6 問7・令和6年7月1日(2026年10月14日確認))。同じ趣旨で、医療機関や教育現場での医療的ケア児や障害児に対する業務経験も含まれる、とされています(VOL.1 問52・令和6年3月29日)。

ただし、数え方には決まりがあります。資格を取る前の経験は入らないこと、1年として数えるには1年あたり180日以上の勤務が想定されていること、期間が重なる部分は二重に数えないこと。この3つを外すと、年数が足りないまま算定してしまうことがあります。

訪問支援員特別加算とは——一定の業務従事歴がある職員が訪問したときの加算

訪問支援員特別加算とは、障害児通所支援事業、障害児相談支援事業その他これらに準ずる事業の従事者などであって、訪問支援員特別加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)ごとに規定する一定の業務従事歴がある者を配置し、当該者が訪問による支援を行った場合に算定する加算です(制度。留意事項通知 保育所等訪問支援②の2(一)・居宅訪問型児童発達支援②の2(一)。令和8年5月28日改正の新旧対照表で改正後・現行とも同文(2026年10月14日確認))。

求められる年数は、サービスと区分で違います。保育所等訪問支援には、①②の期間に加えて、保育所等訪問支援の業務そのものに従事した③の期間があり、③は短い年数で足ります。

サービス加算(Ⅰ)加算(Ⅱ)
保育所等訪問支援①若しくは②の期間が10年以上の者、又は③の期間が5年以上の者①若しくは②の期間が5年以上の者、又は③の期間が3年以上の者
居宅訪問型児童発達支援①又は②の期間が10年以上の者①又は②の期間が5年以上の者

①=理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、保育士又は看護職員の資格を取得後、障害児に対する直接支援の業務、相談支援の業務その他これらに準ずる業務に従事した期間。②=児童指導員、児童発達支援管理責任者、サービス管理責任者、心理担当職員、相談支援専門員として配置された日以後、同じ業務に従事した期間。③=①の資格を取得後又は②の職種で配置された日以後、指定保育所等訪問支援等(自治体の事業に基づき、地域の障害児通所支援事業所に対して助言・援助を行う業務を含む)の業務に従事した期間(制度。留意事項通知 保育所等訪問支援②の2(一))。

以前の資料には、(Ⅰ)と(Ⅱ)の年数が今と逆に見えるものも検索で出てきます。年数は、令和8年5月28日改正の新旧対照表の改正後欄で確かめてください。単位数は算定告示の原文で確認してください(要確認)。

経歴ごとの判定表——入る経験、入らない経験、数え方

ひとことで言うと、「資格を取った後(または職種で配置された後)に、障害児や医療的ケア児に対して行った業務か」で判断します。Q&Aと留意事項通知に載っている場面を、採用面接で出てくる経歴の順に並べました。

職員の経歴扱い根拠
保育士として、保育所で障害児や医療的ケア児に対する業務をしていた含まれるVOL.6 問7
看護師として、訪問看護で障害児や医療的ケア児に対する業務をしていた含まれるVOL.6 問7
医療機関や教育現場で、医療的ケア児や障害児に対する業務をしていた含まれるVOL.1 問52
保育士の資格を取る前に、障害のある子の支援をしていた含まない(資格取得やその職種で配置される以後の経験を数える)VOL.1 問51
非常勤で、月1日だけ勤務していた年がある雇用形態や1日あたりの勤務時間数は問わないが、1年あたり180日以上の勤務があることを想定VOL.1 問51
保育所等訪問支援の訪問を、年1回だけしていた年がある(③の期間)訪問支援を実施した日が1年あたり60日以上あることを想定VOL.1 問51
巡回支援専門員や療育等支援事業で、地域の保育所などに助言・援助をしていた③の「等」の業務に含むVOL.1 問51・留意事項(一)③
理学療法士の資格取得後8年間障害児通所支援事業に従事し、その間4年間保育所等訪問支援の業務にも従事した①を8年又は③を4年として取り扱う(計12年とはしない。8年から4年を除いて①を4年ともしない)留意事項(二)

(制度。こども家庭庁 令和6年度報酬改定(障害児支援)Q&A VOL.1(令和6年3月29日)問51・問52、VOL.6(令和6年7月1日)問7、留意事項通知 保育所等訪問支援②の2。千葉県の障害児通所支援のページにQ&Aを掲載(2026年10月14日確認))

Q&Aが「含まれる」としているのは、保育所や訪問看護での「障害児や医療的ケア児に対する業務経験」です。障害のない子どもだけを担当していた期間をどう扱うかは、Q&Aにも留意事項通知にも書かれていません。経歴の中身で迷うときは、算定を始める前に指定権者に確認するのが確実です(要確認)。

— この段階でご相談いただく理由 —

訪問支援員特別加算は、職員の経歴を年ごとに分けて、資格取得日・勤務日数・業務の中身をそろえて初めて説明できます。採用の前に経歴を一緒に並べ、(Ⅰ)(Ⅱ)のどちらに届くか、足りない書類は何かを確かめます。

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従事歴の整理表——記入例

結論として、年数は「1年ずつ、何の資格・職種で、誰に、何日」を並べると数えられます。上の判定表の決まりを、そのまま記入欄にしました。

欄書くこと見る決まり
期間(年ごと)勤務した年を1年ずつ分けて書く1年あたり180日以上の勤務を想定(VOL.1 問51)
勤務先と事業の種類保育所・訪問看護・医療機関・学校・障害児通所支援などVOL.6 問7・VOL.1 問52
資格取得日/配置された日保育士・看護職員などの資格を取った日、児童指導員などとして配置された日。これより前は数えないVOL.1 問51・留意事項(一)①②
業務の中身障害児や医療的ケア児に対する直接支援・相談支援など。担当した子どもの状況を一言でVOL.6 問7
勤務日数(年ごと)その年の勤務日数1年あたり180日以上を想定(VOL.1 問51)
訪問した日数(③を数える年だけ)保育所等訪問支援や巡回支援などで訪問した日数1年あたり60日以上を想定(VOL.1 問51)
①②③の区分重なる期間は二重に数えない。③の期間は①②に含めることもできる留意事項(二)

(項目は、留意事項通知 保育所等訪問支援②の2とQ&A VOL.1 問51・問52、VOL.6 問7の内容を、当事務所が経歴書の欄の順に並べたもの)

人事を15年やってきた身からすると

採用の書類でいちばん抜けやすいのは「年間の勤務日数」なんですよね。職務経歴書には「◯◯年〜◯◯年 ◯◯保育園」としか書かれていないことが多く、その間に非常勤の時期や長い休みがあったかは分かりません。Q&Aは1年あたり180日以上の勤務を想定していますから、内定を出す前に、前の職場の在籍期間と勤務の形を本人に聞き、証明を出してもらえるかも確かめておく。入職してから証明が出ないと分かると、加算の届出が止まり、本人にも気まずい思いをさせます(当事務所の見解)。

もう1つ、年数は資格を取った日(または職種で配置された日)から数える、という点は採用だけでなく育成にも効きます。保育士などの資格を働きながら取る職員を支える仕組みがあれば、数年後に加算の対象になる職員を自分の事業所で育てられます。制度の組み立て方は資格取得支援制度の作り方にまとめています(当事務所の見解)。

千葉県に届け出るとき——別紙78の欄と、毎月15日(必着)の逆算

結論として、千葉県が指定権者の事業所は、加算される単位数が増加する場合、体制届を毎月15日(必着)で提出します。加算要件を満たす場合は翌月1日から適用、16日以降に届いた場合は翌々月1日から適用です(千葉県「障害児通所支援及び障害児入所支援の指定・変更等の手続」(2026年10月14日確認))。

訪問支援員特別加算の届出には、千葉県の「(別紙78)訪問支援員に関する届出書(訪問支援員特別加算・多職種連携加算・ケアニーズ対応加算関係)」を使います。欄は、職員ごとの氏名・職種(資格)・資格取得日・障害児支援経験年数(通算)です。備考には、障害児支援経験年数には資格取得後の障害児支援事業所等又は任用後の障害児支援事業所等の実務経験年数を記載し、実務経験を証明する書類を添付すること、資格等を証明する書類を添付することが書かれています(千葉県 別紙78(2026年10月14日確認))。

こうしたい・こうなった千葉県での扱い根拠
翌月1日から訪問支援員特別加算を算定したいその月の15日(必着)までに体制届を提出する千葉県の手続ページ
15日を過ぎて、16日以降に届いた翌々月1日から適用千葉県の手続ページ
職員の年数が、あと数か月で10年(または5年)に届く提出時点で要件を満たした状態で申請する。届く前に先に出すことはしない千葉県の手続ページ
対象の職員が退職した・別の事業所に異動した速やかに体制届を提出する。要件を満たさなくなった時点から適用千葉県の手続ページ
届出の方法令和8年4月以降の申請・届出は、ちば電子申請サービスにより提出。郵送も受け付ける。メール提出は受け付けない千葉県の手続ページ

(千葉県「障害児通所支援及び障害児入所支援の指定・変更等の手続」(更新日 令和8(2026)年5月15日)・「指定申請等に関する提出様式」の別紙78(2026年10月14日確認))

別紙78の備考の言葉は「障害児支援事業所等」です。保育所や訪問看護での経験を経験年数に入れるときは、国のQ&A(VOL.6 問7)で含まれるとされていることを踏まえつつ、どんな書類で実務経験を証明すればよいかを、提出前に千葉県に確認しておくと確実です(要確認)。

指定の人員要件とは別物——加算の年数と、令和8年度の改定

ひとことで言うと、訪問支援員特別加算の年数は、事業所の指定を受けるための人員の要件とは別の、加算を取るための要件です。開業の要件については保育所等訪問支援を開業するための人員・設備にまとめています。

加算の対象となる職員は、算定のときに実際に訪問することも求められます。当該職員が実際に保育所等訪問支援を実施するにあたり、提供に要する時間を通じて滞在した場合に算定すること、とされています(留意事項通知 保育所等訪問支援②の2(三)。居宅訪問型も同じ趣旨の(三)があります)。なお、保育所等訪問支援のケアニーズ対応加算は、事業所に訪問支援員特別加算の対象となる職員を1以上配置することを求めています(同 ④の3(二))。

令和8年5月28日の留意事項通知の改正の前後で、訪問支援員特別加算の取扱い(保育所等訪問支援・居宅訪問型児童発達支援とも)は同じ文言です。令和8年度の報酬改定のQ&A(令和8年3月31日のVOL.1、令和8年5月28日の留意事項通知の改正に関するQ&A、令和8年7月13日のVOL.2)を全文検索したところ、訪問支援員特別加算についての記載はありませんでした(2026年10月14日確認)。

年数の数え方は、サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者の実務経験とも似ています。サービス管理責任者の実務経験の数え方もあわせて読むと、経歴書を一度に整理できます。保護者への相談援助の加算の線引きは子育てサポート加算は支援後にまとめて相談しても取れるかに書いています。

地域差分——国のQ&Aと、指定権者の運用

従事歴に入るか・何年かは、こども家庭庁のQ&Aと留意事項通知による全国共通の取扱いです。届出の締切と様式は指定権者ごとに違います。千葉県が指定権者の事業所は、加算される単位数が増加する場合の体制届が毎月15日(必着)で翌月1日から適用(16日以降は翌々月1日)、訪問支援員の届出は別紙78(資格取得日・障害児支援経験年数を記載し、実務経験を証明する書類を添付)、令和8年4月以降はちば電子申請サービス(郵送も可・メール不可)です。柏市の事業所は、千葉県から指定・監査権限等が移譲されて柏市が指定権者です。市が指定権者の事業所は、その市の届出の案内を確認してください(2026年10月14日確認)。

今日やること——3つだけ

まず、訪問支援員にしたい職員の経歴を、1年ずつに分けて書き出します。で、資格を取った日(または職種で配置された日)より前の年を外し、残りの年に年間の勤務日数を書き入れます。最後に、その年数が加算(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらに届くかを見て、証明の書類をそろえ、算定を始めたい月の前月15日(必着)から逆算して別紙78と体制届を準備します。この3つで、「この経験は入るのか」という迷いの大半は片づきます。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県の様式の探し方

千葉県の訪問支援員の届出様式は、「指定申請等に関する提出様式(障害児通所支援及び障害児入所支援)」のページ(令和8年4月以降の様式)に「(別紙78)訪問支援員」として載っています。締切は「障害児通所支援及び障害児入所支援の指定・変更等の手続」のページの「体制等に関する届出」、Q&AのVOL.1〜VOL.6も同じページにあります(2026年10月14日確認)。

※2026年10月14日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

保育所や訪問看護から来てくれる職員は、子どもの生活の場をよく知っている、訪問の仕事にとても心強い人たちです。だからこそ、その経験を加算の年数として正しく数えてあげたい。そのために要るのは、気合いではなく、年ごとの勤務日数と資格を取った日の確認です。採用の面接で一度だけ丁寧に聞いておけば、あとで本人を困らせずに済みます。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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