— 30秒でわかる結論 —

Q. 診療所を開設したら、どんな届出が必要ですか?

医師・歯科医師が開設する診療所は、開設後10日以内に管轄の保健所へ開設届を提出します(千葉県の行政手続案内で確認)。法人が開設する場合は、先に開設許可を受けてから開設し、その後に開設届を出します。これで終わりではありません。保険医療機関の指定申請(地方厚生局)を行わないと保険診療の請求ができず、指定に遡及は原則ありません。このほか、該当する場合はエックス線装置の備付届、麻薬施用者・管理者の免許申請などがあり、毎年の報告、管理者・診療科目・構造設備を変更したときの変更届、廃止・休止・再開の届出も続きます。医療法人の場合は、毎会計年度終了後の決算届(事業報告書等)と役員変更届が都道府県(千葉市内は千葉市)に対して必要です。個人から法人に切り替えるときは、個人診療所の廃止、法人としての開設許可・開設届、保険医療機関の廃止と新規指定を同じ日でつなぐ必要があります。ずれると、その期間の診療報酬を請求できません(2026年9月17日時点)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • クリニックの開設準備をしていて、届出の全体像を知りたい方
  • 個人から医療法人への切替えを考えている方
  • レントゲンの導入や診療科目の追加を予定している方

診療所は「開設届を出して終わり」ではありません

クリニックの開設相談で、開設届の話までは出てくるのですが、その先が抜けていることがあります。保険医療機関の指定、エックス線装置の届出、毎年の報告、そして変更があったときの届出。これらは開設のあとに、それぞれ別のタイミングで発生します。

この記事は、診療所の開設前後に発生する届出を1枚の時系列に並べたものです。医師・歯科医師が開設する診療所は開設後10日以内に開設届(千葉県の行政手続案内で確認。2026年9月17日確認)、法人が開設する場合は開設許可を受けてから開設という違いも含めて整理します。

開設前後の届出カレンダー

時期手続き提出先
開設後10日以内診療所開設届(医師・歯科医師が開設する診療所)管轄の保健所
開設前(法人開設の場合)診療所開設許可申請 → 許可を受けてから開設 → 開設届管轄の保健所
開設後すみやかに保険医療機関の指定申請(指定を受けないと保険診療の請求ができない。遡及は原則なし地方厚生局
該当する場合エックス線装置の備付届、麻薬施用者・管理者の免許申請、麻薬・向精神薬の取扱いに関する届出など保健所・都道府県
毎年医療施設調査・病院報告など、法令にもとづく報告保健所・都道府県
変更があったとき管理者の変更、診療科目の変更、名称・構造設備の変更などの変更届管轄の保健所
廃止・休止・再開廃止届・休止届・再開届管轄の保健所
(医療法人の場合)毎会計年度終了後決算届(事業報告書等)の提出、役員変更届都道府県(千葉市内は千葉市)

いちばん気をつけていただきたいのが3行目です。保険医療機関の指定に遡及は原則ありません。開設届を出しても、保険医療機関の指定を受けるまでは保険診療の請求ができません。地方厚生局の受付・審査の日程を先に確認し、診療開始日と指定日をそろえる段取りが要ります。

4行目のエックス線装置の届出は、レントゲンを入れるクリニックでは必ず発生します。装置の設置前・設置後のどちらで届け出るか、線量の測定結果をいつ出すかは保健所の指示によるため、内装工事の設計段階で相談してください。

個人から法人に切り替えるときは、同じ日でつなぐ

個人→法人に切り替えるとき同じ日でつなぐもの
個人診療所廃止届
法人の診療所開設許可 → 開設届
保険医療機関個人としての廃止と、法人としての新規指定
従業員社会保険の適用事業所の切替え(社会保険労務士の領域)
リース・賃貸借・各種契約契約名義の変更または再契約

法人化のときにいちばん事故が起きるのがここです。個人の廃止と法人の開設、保険医療機関の廃止と新規指定を同じ日でつなげないと、その期間の診療報酬を請求できません。医療法人の設立認可は千葉県で年3回(スケジュール)なので、認可書の交付日から逆算して、この切替えの日を決めることになります。

開設後の「忘れやすい届出」3つ

  • 管理者(院長)の変更——法人化や院長交代のとき。保健所への変更届に加えて、医療法人なら都道府県への手続きも関わります
  • 診療科目の追加——標榜できる科目には決まりがあります。追加する前に保健所へ相談を
  • 構造設備の変更——増床、レイアウト変更、エックス線装置の入替え。工事の前に確認してください

どれも「変更してから届け出る」のではなく、変更の前に相談するのが原則です。

要確認:届出の種類・期限・様式・提出先は、都道府県および管轄の保健所によって異なります。本記事の期限は千葉県の行政手続案内にもとづく整理です。保険医療機関の指定申請の受付・審査の日程は地方厚生局にご確認ください。エックス線装置・麻薬等の届出は該当する場合のみで、要件は個別に確認が必要です。設立登記は司法書士、税務・会計は税理士、社会保険の手続は社会保険労務士の業務であり、当事務所は行いません。本記事は2026年9月17日時点の整理です。

介護・障害福祉の事業者の方へ
クリニックに児童発達支援や生活介護を併設する場合、保健所への届出とは別に、指定権者への指定申請が必要です。千葉県の障害児通所支援は申請書類が指定希望月の2か月前の月末(厳守)なので、診療所の開設スケジュールと同じ線表に載せてください。

開設の前に、1枚の線表にします

届出は種類が多く、提出先も保健所・地方厚生局・都道府県と分かれています。当事務所では60分の無料相談で、開設予定日から逆算して、どの届出をいつ出すかを1枚の線表にしてお渡しします。法人化を伴う場合は、医療法人の認可スケジュールと切替えの日も同じ線表に載せます。

詳しくは医療法務(診療所の開設・法人化)をご覧ください。ご依頼にならなくて構いません。オンラインで全国対応です。お問い合わせフォームからどうぞ。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|松戸・市川・流山で開設する方へ

診療所の開設届は管轄の保健所(松戸健康福祉センターなど)へ、開設後10日以内です。保険医療機関の指定申請は関東信越厚生局の千葉事務所が窓口になります。医療法人の設立認可は、千葉市以外なら千葉県医療整備課(043-223-3878)、千葉市内なら千葉市医療政策課(043-245-5210)です。3つの窓口の日程を1枚の線表に載せるところから、無料相談でお手伝いしています。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

開設の相談で、私がいちばん時間をかけて説明するのが保険医療機関の指定です。開設届は出した、内装も終わった、スタッフも採用した。それでも指定が下りていなければ、保険診療の請求はできません。ここで数週間の空白が生まれた例を見てきました。届出の数が多いのは確かですが、全部を同じ紙に並べれば、順番は見えます。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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