— 30秒でわかる結論 —

Q. NPO法人の会費はどう決めればよいですか?正会員と賛助会員は何が違いますか?

会費の有無や金額は法人が自由に決められ、ゼロでも構いません。ただし、総会で議決権を持つ正会員(NPO法上の社員)の入会には不当な条件を付けてはならず(特定非営利活動促進法第2条第2項第1号イ)、表決権は原則1人1票で平等です(同法第14条の7第1項。定款で別段の定めを置く余地はあるが、認定NPO法人の基準は平等を求める)。賛助会員など議決権のない会員は、入会の条件を任意に定められます。定款には、会費を設けない場合は記載不要で、設ける場合は金額を定款に書く方法と「総会で別に定める」方法があり、所轄庁によって運用が違うため事前相談で確認してください(内閣府・栃木県の手引き)。退会は任意であることを定款で明確にします。設立に必要な社員10人は正会員で数え、賛助会員は含めません(2026年10月1日確認)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • NPO法人の定款で、会員の種類と会費をどう書くか迷っている方
  • 設立に必要な10人と、応援してくれる人の関わり方を分けたい方
  • 会費収入で運営費を賄えるか考えている方

NPO法人の会費は、どう決めればよいのか——金額より先に「誰が正会員か」を決めます

NPO法人の会費は、法人が自由に決められます。ただし、総会で議決権を持つ「正会員(NPO法上の社員)」について、入会に不当な条件を付けることは法律で禁じられており、会費の設計はこの制限の中で行います(制度。特定非営利活動促進法第2条第2項第1号イ、内閣府「特定非営利活動促進法に係る諸手続の手引き」(2026年10月1日確認))。会費ゼロでも構いません。

この記事で分かることは、①正会員と賛助会員などの違い、②定款に何を書くか(金額を書くか、総会で決めるか)、③会費の決め方の型、④よくある失敗です。当事務所は、自らゼロから10人を集めてNPO法人の設立認証を取得した当事者として、また地域の市民活動の現場で学んでいる立場から、会費の設計が人集めにどう効くかをお伝えします。

正会員・賛助会員・その他の会員は、何が違うのか

会員の種類総会の議決権入会の条件定款への記載
正会員(NPO法上の社員)ある(原則1人1票。会費の口数で増やさない)不当な条件を付けてはならない(法第2条第2項第1号イ)必要的記載事項(社員の資格の得喪)
賛助会員・準会員などない法人が任意に定められる任意的記載事項(置くなら正会員と区別して書く)
ボランティア・利用会員など(会員として定める場合)ない任意任意

内閣府の手引きの定款例は、正会員以外の会員について「任意の条件を定めることができるが、社員(正会員)の資格取得については、不当な条件を付けてはならない」と注記しています(制度(2026年10月1日確認))。また、NPO法人の各社員の表決権は平等が原則です(NPO法第14条の7第1項)。条文上は定款で別段の定めを置く余地があります(同条第4項)が、認定NPO法人の認定基準は「各社員の表決権が平等であること」を求めている(同法第45条第1項第3号ロ)ため、会費を多く払った人が多くの票を持つ仕組みは作らないでください(制度+当事務所の見解)。

定款には何を書くか——金額を書くか、総会で決めるか

入会金・会費を設けない場合は、定款に記載する必要はありません。設ける場合は、金額を定款に書く方法と、「総会で別に定める」とする方法があり、所轄庁によって運用に違いがあります(制度。内閣府の手引き「入会金又は会費の設定がない場合は、記載を要しない」、栃木県の手引き「定めている場合は、例え徴収しない場合でも0円と記載」(2026年10月1日確認))。

書き方メリット注意点
定款に金額を書く(例:正会員会費 年3,000円)誰にでも分かる。所轄庁の定款例に多い形金額を変えるたびに定款変更(社員総数の2分の1以上が出席し出席者の4分の3以上の議決、法第25条第2項)が必要。所轄庁の認証が要る事項(社員の資格の得喪)に当たるか届出で足りるかは所轄庁に確認
「会費は総会で別に定める」とする金額の変更が定款変更なしで済む(総会の議決)設立時の総会で金額を決め、議事録と会費規程に残す。所轄庁によって記載を求められることがあるので事前相談で確認

もう一つの必須の論点は退会の自由です。退会が任意であることを定款で明確にし、任意に退会できない仕組みは法に抵触すると所轄庁の手引きは説明しています(制度。栃木県の定款作成例の注記)。「会費を1年分前払いしないと退会できない」といった条件は付けないでください。

市民活動の現場の目で見ると

地域の市民活動の講座で複数の団体の話を聞くと、会費の金額より「誰に正会員になってもらうか」で運営の続き方が変わることがよく分かります(複数の現場で見聞きしたことを合成した架空の場面です)。正会員の会費を高くして収入を確保しようとすると、設立に必要な10人が集まりにくく、総会の定足数も割れやすくなります。逆に、運営に関わる人は正会員として会費を低く抑え、応援してくれる人には賛助会員として関わってもらう形は、人を増やしながら意思決定を小さく保てます。会費は「収入の柱」ではなく「関わり方の設計」と考えるのが、現場に近い考え方です(当事務所の見解)。

会費の決め方の型——3つの問いで決める

  1. 総会で決める人は誰か:理事・運営メンバー・継続して関わる人を正会員に。設立時の10人は、ここから数える。
  2. 応援してくれる人をどう迎えるか:議決権は持たないが、お金や情報で支えてくれる人を賛助会員に。個人と団体で金額を分けることもできる。
  3. 会費で何を賄うか:会費収入で事業費を賄おうとしない。事務費・保険料・通信費など、毎年必ずかかる固定費の一部に充てる程度に置き、事業は委託・助成金・寄附・事業収入で組む(当事務所の見解)。

— この段階でご相談いただく理由 —

会費と会員の設計は、定款・社員名簿・総会の定足数・将来の認定NPOの要件にまでつながります。設立の段階で「誰が正会員か」を決めておくと、10人集めも総会の運営も楽になります。当事務所はNPO法人設立サポート(200,000円・税込、登記は提携司法書士別途)で、会員制度と会費を定款と一緒に設計します。全国オンライン対応です。

準備物:一緒に運営する人の人数と関わり方、応援してくれそうな人・団体、年間の固定費の見込み。60分の無料相談 →

よくある失敗

  • 賛助会員を「社員10人」に数えてしまう:議決権のない会員はNPO法上の社員ではありません。設立に必要な10人は正会員で数えます。
  • 正会員の入会に「理事会の承認」など厳しい条件を付ける:不当な条件に当たるおそれがあります。条件を付けるなら、目的に賛同することなど合理的な範囲に。
  • 会費の口数で議決権を変える:表決権は平等が原則です(法第14条の7第1項)。定款の別段の定め(同条第4項)で変えられる余地はありますが、認定NPO法人の基準(第45条第1項第3号ロ)に抵触します。
  • 会費を寄附として扱い、会計の区分があいまいになる:活動計算書では会費と寄附金を分けて計上します(NPO法人会計基準の科目)。認定NPOを目指すなら、会費の扱いは早めに税理士・所轄庁に確認を。

📗 社員10人と役員の考え方はNPO法人の役員構成と社員10人、定款の書き方はNPO法人の定款は「あとで直す」が効きません、会計はNPO法人に税理士は必要?にまとめています。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|所轄庁の定款例を確認してください

会費を定款にどう書くか(金額を書く/総会で定める/0円と書く)は所轄庁の定款例で扱いが違います。千葉県内なら、千葉市内のみに事務所がある法人は千葉市、松戸市・市川市・柏市・船橋市などは千葉県(県民生活課)の手引きと定款例を確認してください。千葉県の定款作成例は内閣府と同じ型で、第8条「総会において別に定める入会金及び会費」+附則で設立当初の額を書き、「入会金又は会費の設定がない場合は、記載を要しない」と注記しています(千葉県「定款作成例」p.22・35、2026年10月1日確認)。当事務所は全国オンライン対応で、所轄庁ごとの定款例に合わせて会員制度を設計します(2026年10月1日確認)。

※2026年10月1日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

自分で10人を集めたとき、会費をいくらにするかより、誰に正会員になってもらうかで何度も話し合いました。会費は、関わってくれる人との約束の形です。金額を決める前に、関わり方を決めてください。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

NPO法人については、明治大学経営学部公共経営学科でNPO・非営利組織の経営を専攻し、自らゼロから社員10人を集めて定款作成・設立総会を経て所轄庁の設立認証を取得した当事者でもあります。あわせて現在、地域の市民活動の人材育成講座を受講しており、講義と実地体験(2026年9月時点で3団体)を通じて、子育て支援・居場所づくり・福祉・環境など市民活動の現場の運営を学んでいます。手続きだけでなく、人の集め方・目的の書き方・設立後2年目の重任まで、経験にもとづいてお伝えしています。

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