— 30秒でわかる結論 —
Q. 飲食店の原価率は何%までに抑えるべきですか?
原価率単独の正解はなく、「原価率+人件費率=FL比率で60%以内」が一般に語られる目安です(業態で異なる概算の経験則)。原価率30%は外食の相場感としてよく聞きますが、たとえば原価35%でも省人化で人件費が低ければ成立し、原価28%でも接客に人をかける業態なら人件費が上がる——FとLは片方だけ見ず、合計で管理するのが実務です。だから最初にやることは、メニュー別の原価表と時間帯別のシフト表という2枚の「見える化」。この2枚がないままの値上げ・人員削減は、勘での手術になります。
開業相談で事業計画を拝見すると、売上の根拠は書いてあっても、原価と人件費の設計が「なんとなく」のことが多い。飲食の損益は、この2つでほぼ決まります。定番の物差し・FL比率から整理します(2026年7月時点の一般的整理)。
FL比率とは——FとLを「足して」見る
F(食材原価)+L(人件費)を売上で割った割合がFL比率。一般に60%以内が健全の目安と語られます(業態差のある概算の経験則です)。残り40%から家賃・水道光熱・販促・返済を払い、利益を残す——これが飲食のPLの骨格です。原価率だけ、人件費率だけを別々に見ると判断を誤ります。手作り重視で原価を上げ、オペレーションを磨いて人件費を下げる店も、仕込みを効率化して原価を抑え、接客に人をかける店も、どちらも成立する——合計で見るからこそ、自分の店の型が選べるのです。
価格の決め方——積み上げと逆算で挟む
①積み上げ:原価÷目標原価率(例:原価300円÷30%=1,000円)。②逆算:お客さまがこの一皿・この体験にいくらなら納得するか。①だけだと市場とズレ、②だけだと採算が崩れる——両方で挟んで、看板商品は②寄り・定番は①寄りに置くのが実務のバランスです。メニュー全体では、原価率の高い看板と低い定番を組み合わせて「ミックスで目標に収める」発想を持ってください。
FLが悪化したら——劇薬の前に「2枚の表」
手順は決まっています。①メニュー別の原価表(レシピの分量ベース)と②時間帯別の人時(にんじ)表を作る→Fの改善はロス(廃棄・作りすぎ)と仕入れ条件から、Lの改善はシフトの山谷(暇な時間帯の厚すぎる配置)から。値上げと人員削減は最後の手です——見える化すると、その前に効く手が大抵見つかります。この2枚の表の初期設定と月次レビューは、当事務所の財務支援メニューでお手伝いしています(開業費用の試算・13週資金繰り表)。
開業前の方へ——FLは「設計」の段階で決まる
営業を始めてからFLを直すのは大変ですが、開業前なら設計で作り込めます。メニュー構成(仕込みの共通化)、厨房動線(少人数で回る配置)、営業時間(山谷の少ない時間設計)——開業手続きの完全ガイドとあわせて、数字の設計から伴走します(創業融資)。
📍 千葉県ローカルメモ|東葛はLの設計が勝負どころ
松戸・柏・流山エリアは家賃水準が都心より抑えられる分、FLに余裕を持たせやすい立地です。一方で人材採用の競争は厳しいため、Lの設計(少人数で回るオペレーション)を開業前に作り込む価値が特に大きい地域だと感じています。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
「原価率30%って本当ですか?」とよく聞かれますが、私の答えはいつも「あなたの店は何で勝つ店ですか」です。数字の相場より、自分の店の型。FL比率は、その型を数字に翻訳する道具です。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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