— 30秒でわかる結論 —

Q. ホームページ制作やSNS運用を提案するとき、顧客にどの補助金を案内すればいいですか?

提案内容で分けます。小規模事業者のホームページ制作+チラシ・広告なら小規模事業者持続化補助金(ウェブサイト関連費のみでは申請不可、商工会議所・商工会の支援が必要)。業務システムやSaaS・EC構築などITツールの導入ならデジタル化・AI導入補助金(IT導入支援事業者との共同申請が基本、通常枠は補助率1/2以内・上限450万円の区分あり・2026年時点)。松戸市内の事業者へのソフト導入+ウェブサイト新規作成なら松戸市デジタル化チャレンジ補助金(補助率2/3・上限50万円・通年)。営業が言ってはいけないのは「無料になる」(補助率は最大でも2/3等で後払い)「採択される」(審査は保証できない)「先に着工していい」(交付決定前の発注は対象外)の3つ。提案書には候補制度名と確認日・補助率と上限・交付決定前の発注不可・後払い・申請は顧客自身または専門家、の5点を添えてください。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • ホームページ制作・SNS運用・広告運用を提案していて、顧客の「予算が」を越えたい営業担当の方
  • 補助金を案内したいが、誤った説明で信用を落とすのが怖い制作会社の方
  • 行政書士との提携で提案の幅を広げたいWEBマーケティング会社の方

「補助金が使えますよ」の一言が、提案を通す

ホームページ制作やSNS運用、広告運用を提案するとき、顧客の最後の一言はたいてい「予算が」です。ここで「この施策なら補助金の対象になり得ます」と言えるかどうかで、成約率が変わります。ただし、制度を誤って案内すると信用を失うのも補助金です。「使える」と言い切らず、「対象になり得る条件」を正確に伝えられる会社が、結局は選ばれます。

この記事は、WEBマーケティング会社・制作会社の営業担当が、顧客提案のときに手元に置いておくための整理です。制度の細部は公募回ごとに変わるので、「どの補助金が・どの提案に・どんな条件で」の型を押さえてください。

提案内容別・使い分けの型

顧客への提案候補になる補助金押さえどころ
ホームページの新規制作・リニューアル+チラシ・広告(小規模事業者)小規模事業者持続化補助金販路開拓が目的であることが前提。ウェブサイト関連費のみでの申請は不可で、広報費等と組み合わせる。ウェブサイト関連費には上限あり。商工会議所・商工会の事業支援計画書が必要。従業員数の要件(商業・サービス業は常時使用する従業員5人以下など)
業務システム・SaaS・EC構築など「ITツールの導入」デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)IT導入支援事業者との共同申請が基本。制作会社自身が支援事業者に登録しているかが分かれ目。通常枠は補助率1/2以内・上限450万円の区分あり(2026年時点)
松戸市内の事業者への、ソフト導入+ウェブサイト新規作成松戸市中小企業デジタル化チャレンジ補助金補助率2/3・上限50万円、令和9年2月27日まで通年。ソフト導入かWeb新規作成が必須で経費の半分以上。市の専門家相談を経る。地元の制作会社が最も提案しやすい
原材料費の縮減・価格転嫁の取組をPRする展示会・Web(都内本店の事業者)東京都・原材料価格高騰の緊急対策助成金(第2回・9/30締切)販路開拓経費(上限500万円)に自社Webサイト制作・改修、広告、展示会が含まれる。ただし取組の主目的は原材料費の縮減・価格転嫁で、Web制作単体では対象にならない

営業担当が絶対に言ってはいけない3つ

  • 「補助金で無料になります」——補助率は最大でも2/3や3/4で、全額補助はまず無い。しかも後払いなので、顧客は一度全額を支払う。
  • 「採択されます」——審査は事務局・自治体の判断で、誰にも保証できない。「対象になり得る」までが正しい言い方。
  • 「先に着工して、あとで申請すればいい」——交付決定前の契約・発注は対象外がほぼ全制度に共通。提案から受注までの期間が延びる前提で工程を組む(交付決定前着手の落とし穴)。

提案書に添える「補助金活用の条件」1枚

顧客に渡す資料には、次の5点を必ず書いてください。①候補となる補助金の名称と、確認日。②補助率と上限(「最大」の表現に注意)。③交付決定前は発注できないこと。④補助金は後払いで、全額の立替が必要なこと。⑤申請は顧客自身が行う(または専門家に依頼する)こと。この1枚があるだけで、後の「聞いていない」を防げます。同一の経費に複数の補助金を重ねられないことも、併用を考える顧客には先に伝えてください(同一経費の重複という絶対NGライン)。

要確認:各補助金の名称・枠・補助率・上限・対象経費・公募時期は年度や公募回で変わります。本記事は2026年9月3日時点の整理で、提案の際は必ず当該公募回の公募要領を原典で確認してください。補助金の申請書類の作成は行政書士の業務であり、制作会社が報酬を得て申請書類を作成することは行政書士法上の問題を生じ得ます。提案は「制度の案内」に留め、申請は顧客自身または専門家が行う形にしてください。

制作会社と行政書士の役割分担——提携という選択肢

制作会社が補助金の「案内」まで、申請書類の作成は行政書士へ——この分担なら、顧客は制作と申請を別々に探さずに済み、制作会社は行政書士法のリスクを負わずに提案の幅を広げられます。当事務所は、WEBマーケティング会社・制作会社との提携(顧客のご紹介、勉強会、提案書への補助金条件の監修)をお受けしています。事業計画書の組み立ては6ブロックの書く順番にまとめました。

参考にした一次資料

  • 中小企業庁・各補助金事務局の公募要領(小規模事業者持続化補助金、デジタル化・AI導入補助金)——申請時は当該公募回の要領を原典で確認
  • 松戸市「中小企業デジタル化チャレンジ補助金」公式ページ(2026年8月26日更新)
  • 東京都中小企業振興公社「中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業(第2回)募集要項」
  • 行政書士法第1条の2(官公署に提出する書類の作成)

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県・松戸市の制作会社の方へ

松戸市のデジタル化チャレンジ補助金は、市内に1年以上の営業実態がある事業者が対象で、ウェブサイトの新規作成が対象経費に明記されています(Web制作費の上限25万円)。地元の制作会社が最も提案しやすい制度です。松戸市外の事業所に設置するものは対象外なので、顧客の所在地を先に確認してください。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

WEBマーケティング会社の方から相談を受けるとき、私が最初に言うのは「補助金を売り文句にしないでください」です。売り文句にした瞬間、外れたときに制作会社が責められます。「対象になり得る条件を正確に伝える会社」が、結局いちばん信用されます。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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