— 30秒でわかる結論 —

Q. 補助金の事業計画書は、何をどの順番で書けばいいですか?

様式の上から順に埋めるのではなく、①現状(数字で)②課題(原因の特定)③打ち手(なぜこれか)④効果(数字で)⑤根拠(数字の出どころ)⑥体制、の6ブロックで組み立てます。実際に手を動かす順番は⑤根拠→①現状→②課題→③打ち手→④効果→⑥体制がおすすめです。見積書と実測値を先に集めてから文章を書くと、書き直しがほぼ発生しません。審査員が見るのは「現状→課題→打ち手→効果」が一本の線として繋がっているかで、文章のうまさではありません。評価項目は公募回ごとに違うため、必ず当該回の公募要領を原典で確認してください。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 補助金の事業計画書を前にして、どこから書けばいいか分からず手が止まっている経営者の方
  • 過去に申請して不採択となり、次回に向けて構成から見直したい方
  • 自社で書くか外部に頼むかを判断するために、必要な作業量を知りたい方

「何を書けばいいか分からない」は、順番の問題

補助金の事業計画書を前にして手が止まる方の多くは、文章力ではなく書く順番でつまずいています。様式は上から「事業概要」「現状」「課題」…と並んでいますが、上から順に埋めると、最後の「効果」で数字が合わなくなり、遡って全部を書き直すことになります。

審査員が読むのは、実は一本の因果の線です。いまこうなっている(現状)→原因はここ(課題)→だからこれをやる(打ち手)→こう変わる(効果)→根拠はこれ(数字)。この線が切れていなければ、文章がうまくなくても通ります。逆に、線が切れている計画は、どれだけきれいな日本語でも「で、なぜこの設備が必要なんですか?」で止まります。

書く順番——6ブロックで組み立てる

順番書くことポイント
①現状いま何が起きているか(数字で)売上・原価・人員・稼働率・不良率など。「忙しい」ではなく「受注は1.4倍だが加工能力が追いつかない」
②課題その原因はどこにあるか設備・人・仕組みのどれか。原因が特定できていない申請は、投資の必然性が説明できない
③打ち手なぜこの設備・この取組なのか代替案(人を増やす・外注する)と比較して、なぜこれが最適か
④効果導入後どう変わるか(数字で)生産性・売上・原価率。公募要領が求める指標(付加価値額・給与支給総額など)に接続する
⑤根拠その数字はどこから来たか見積書、稼働時間の実測、既存の受注実績、市場データ。ここが空だと全部が願望になる
⑥体制誰がやるか、続けられるか担当者・スケジュール・資金繰り(補助金は後払い)

実際に手を動かす順番は、⑤根拠 →①現状 →②課題 →③打ち手 →④効果 →⑥体制をおすすめしています。先に見積書と実測値を集めてしまう。数字が出そろってから文章を書くと、書き直しがほぼ発生しません。見積書の取り方には作法があるので、相見積・宛名・費目の実務もあわせてご覧ください。

審査で落ちる計画に共通する3つの断絶

  • 課題と打ち手が繋がっていない——「人手不足が課題」と書いたのに、買うのは営業用のソフト。人手不足を解決する設備なら、削減できる工数を時間で示す必要があります。
  • 効果に根拠がない——「売上30%増」と書いてあるが、なぜ30%かが書かれていない。既存の受注実績や、加工能力の増加率から積み上げてください。
  • 自社の言葉になっていない——公募要領の言い回しをなぞっただけの計画。審査員は毎日それを読んでいます。自社の現場の言葉(機械名、工程名、顧客名の類型)が入っているかどうかで、実在感が変わります。

書き終えたら、この5つを自分に聞く

  • この計画を読んだ人は、うちの会社が何屋かを1行で言えるか
  • 投資しない場合に何が起きるか、書いてあるか
  • 数字はすべて、出どころを説明できるか
  • 補助金が後払いである前提で、資金繰りが書いてあるか(入金までのタイムライン
  • 交付決定の前に発注していないか(交付決定前着手の落とし穴
要確認:本記事は事業計画書の構成についての一般的な整理です。評価項目・加点・様式・提出方法は、補助金ごと、公募回ごとに異なります。必ず当該公募回の公募要領を原典で確認し、その評価項目に沿って構成を組み替えてください。「前回の公募要領で通った書き方」は、次回も通るとは限りません。

実際の公募要領で、この構成がどう効くかを見たい方は、いま募集中の東京都・原材料価格高騰の緊急対策助成金(第2回・締切9月30日)の記事もあわせてご覧ください。審査の視点が「効果性・必要性と緊急性・妥当性・実現可能性」の4つであることが明記されています。

当事務所の関わり方

当事務所は、事業計画書の作成サポートを行っています(着手金33,000円+成功報酬)。ただ、いちばん時間をかけているのは文章ではなく、⑤の根拠集めです。稼働時間を実測してもらい、見積書を揃え、数字の出どころを一つずつ確認する。この作業をご一緒すると、採択の可否にかかわらず「自社の課題が数字で見えた」と言っていただけることが多いです。補助金申請サポートから、まずは現状をお聞かせください。

参考にした一次資料

  • 当事務所「補助金申請 実務ガイド(全26章)」(2026年8月版)
  • 中小企業庁・各補助金事務局の公募要領(申請する公募回のものを原典で確認)

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内の事業者の方へ

国の補助金(ものづくり・小規模持続化・省力化投資など)に加え、千葉県や松戸市など自治体独自の補助金もあります。国と自治体で対象経費や併用の可否が異なるため、申請先を決める前に「どちらが自社の投資に合うか」を比較してください。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

事業計画書の作成でいちばん時間をかけているのは、文章ではなく数字の出どころを確かめる作業です。稼働時間を実測していただくと、補助金の採否とは別に「うちの課題はここだったのか」と気づかれることが多い。その気づきのほうが、実は価値があると思っています。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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