— 30秒でわかる結論 —

Q. 東京都の障害福祉事業所で職員が育休・介護休業をとるとき、代わりの職員の費用に補助はありますか?

職員の育休や介護休業で、代わりの人を雇う費用や手当が重い東京都内の中小法人の事業所なら、東京都の育業・介護休業等両立支援事業補助金の対象になります。障害福祉サービスは29種類すべてが対象で、受付は2026年10月16日から2027年2月15日までです。都から出るのは、基準額と実際の支出の少ないほうから国の両立支援等助成金を引いた額です(2026年10月19日確認)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 東京都内のグループホームや放課後等デイサービスで、職員が来月から育休に入り、代わりの人を雇う費用が重いと感じている方
  • サビ管・児発管や人員基準に数えている職員が休業に入り、補助金と人員基準の両方を確かめたい方
  • 国の両立支援等助成金と東京都の補助金の関係、申請の順番が分からない方

ご相談いただくと、こう進みます

  1. 最初の30分の無料相談で、休業する職員・期間・代わりの人の確保方法を伺い、使えるメニューと国の助成金が必要かを整理します
  2. ご依頼後は、人員基準と届出への影響を確かめ、社会保険労務士と段取りを合わせて都の補助金の申請書類(jGrants)を作ります
  3. その後は、実績報告まで期限を一緒に管理します

職員の育休・介護休業で、代わりの人を雇う費用が重い東京都内の事業所へ。都が国の助成金に上乗せして補助します

東京都内で障害福祉サービスの事業所を運営している中小法人は、職員が育休(都の呼び方は「育業」)や介護休業をとったときに、代わりの職員を雇う費用や、代わりに業務を担う職員への手当について、東京都の補助を受けられます。受付は2026年10月16日から2027年2月15日まで(当日消印有効)です(制度。東京都 報道発表・チラシ(2026年10月19日確認))。

ただし、チラシの「35〜230万円」「月額最大13.3万円」は、国の助成金と合わせた基準額です。都から実際に出るのは、そこから国の「両立支援等助成金」の支給額を引いた額です。また、10ある区分のうち6区分は、国の助成金の支給決定を受けていることが前提になります(制度。補助金ホームページ・FAQ A22(2026年10月19日確認))。

対象になる事業者——障害福祉サービスは29種類すべて

実施要綱の別表では、障害福祉サービス等として次の29種類が挙がっています(制度。実施要綱 別表(2026年10月19日確認))。介護保険の事業所も対象ですが、この記事では障害福祉に絞って説明します。

分類対象のサービス
訪問系居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援
日中活動・入所系短期入所、療養介護、生活介護、施設入所支援
住まい・地域生活自立生活援助、共同生活援助(グループホーム)、地域移行支援、地域定着支援
訓練・就労自立訓練、就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労定着支援
障害児児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援、福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設、児童発達支援センター
相談計画相談支援、障害児相談支援

(制度。実施要綱 別表の29種類を、当事務所が読みやすいように分類したものです(2026年10月19日確認))。

法人の要件は、資本金(出資の総額)が5,000万円以下、または常時雇用する労働者が100人以下であることです。育児休業と育児短時間勤務の区分は300人以下まで対象です。申請は事業所ごとではなく、法人単位で行います(制度。交付要綱 第3条・FAQ A3・A4(2026年10月19日確認))。

国や地方公共団体が設置した施設・事業所は原則として対象外です。ただし、指定管理者が管理しているものは対象になります。都外にある一部の入所施設(要綱に定める都外施設)も対象に含まれます(制度。実施要綱 第3条(2026年10月19日確認))。

対象になる職員——サビ管・児発管も入る。管理者・事務職員は入らない

利用者への直接支援や相談支援などの業務に従事する職員が対象です。交付要綱には、生活支援員、世話人、児童指導員、保育士、職業指導員、就労支援員、相談支援専門員、看護職員などの職種が挙がっていて、サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者として業務を行う人も含まれます(制度。交付要綱 第4条(2026年10月19日確認))。

  • 管理者・事務職員は対象外です(FAQ A7)
  • 常勤・非常勤、専従・兼務は問いません
  • 法人が直接雇用し、直接給与を払っている職員が対象です。休業する人が派遣職員の場合は対象外です

補助の中身と基準額——4つのメニュー

1. 代わりの職員の雇用(代替職員)

休業する職員の業務を補うために、新しく人を雇う、または新たに派遣で確保する場合です。既存職員の配置転換や、法人内の別の事業所からの異動は対象になりません。ただし、同僚が休業する人の業務を代わりに担い、その同僚の業務を埋める人を新しく確保した場合(いわゆる「玉突き」)は対象です(制度。FAQ A14(2026年10月19日確認))。

代替職員の雇用期間育業・介護休業育児・介護の短時間勤務
14日以上1か月未満35万円10.5万円
1か月以上2か月未満65万円19.5万円
2か月以上3か月未満100万円30万円
3か月以上4か月未満130万円39万円
4か月以上5か月未満165万円49.5万円
5か月以上6か月未満200万円60万円
6か月以上230万円69万円

(制度。補助金ホームページ「補助基準額」・交付要綱 別表2(2026年10月19日確認)。いずれも国の助成金と合わせた基準額です)。

2. 代わりに業務を担う職員への手当(業務代替手当)

休業の場合は1か月当たり13.3万円、短時間勤務の場合は1か月当たり4万円が基準額です。手当の定めを労働協約か就業規則に置いていることが必要です(FAQ A16)。新しく人を雇わず、既存職員だけで業務を代わりに担った場合でも、要件を満たせば手当の補助は受けられます(制度。補助金ホームページ・FAQ A14(2026年10月19日確認))。

3. 求人広告費(加算)

代替職員を雇うための求人広告費などで、1件当たり10万円が基準額です。「1. 代替職員の雇用」の対象経費がある場合に限り、加算として補助されます(制度。交付要綱 第6条・報道発表(2026年10月19日確認))。

4. 職場環境改善の取組(加算)

社会保険労務士への相談、両立支援の職員向け研修、相談窓口の設置などに要する経費で、1事業所当たり10万円が基準額です。備品購入は対象外です(FAQ A20)。「1. 代替職員の雇用」か「2. 業務代替手当」の対象経費がある場合に限り、加算として補助されます。「TOKYO働きやすい福祉の職場宣言事業」で「仕事と育児・介護が両立できる取組を実施している」の項目を達成していること(申請時点では見込みでも可)が条件です(制度。交付要綱 第6条・補助金ホームページ・申請の手引き(2026年10月19日確認))。

求人広告費と職場環境改善だけの申請はできません。なお、職場環境改善の上限は、ホームページのFAQ(A35)に「上限20万円」とする記載があり、報道発表・申請の手引き・チラシ・交付要綱の「10万円」と食い違っています(2026年10月19日確認)。この記事は要綱どおり10万円で書いています。申請前に事務局へ確認してください(要確認)。

都から実際に出る額の計算——国の支給額を引く

  1. 実際に払った額と基準額のうち、少ないほうを選ぶ
  2. 国の支給決定が前提の区分では、そこから国の両立支援等助成金の支給額に相当する金額を引く
  3. 1,000円未満の端数は切り捨てる

(制度。交付要綱 第7条・FAQ A24(2026年10月19日確認))。都が示している例は次のとおりです。

例基準額国の助成金都の補助(最大)
育業6か月・代替職員の雇用230万円67.5万円162.5万円
介護休業3か月・代替職員の雇用130万円30万円100万円
育業6か月・業務代替手当79.8万円60万円19.8万円
介護休業3か月・業務代替手当39.9万円10万円29.9万円

(制度。補助金ホームページ「補助金の支給例」(2026年10月19日確認))。

国の助成金が前提になるメニュー

メニュー国の支給決定
代替職員の雇用(育業・介護休業)必要
代替職員の雇用(育児・介護の短時間勤務)不要(都だけの補助)
業務代替手当(休業・短時間勤務のすべて)必要
求人広告費・職場環境改善(加算)不要

(制度。交付要綱 第3条・FAQ A22(2026年10月19日確認))。

国の手続と都の手続は同時に進められますが、都の交付決定は国の支給決定のあとになります(FAQ A22)。国の助成金には、休業が終わってからの申請期限があり、コースごとに違います。たとえば介護休業の代替職員の雇用では、介護休業終了日の翌日から2か月以内です(制度。申請の手引きの参考欄(2026年10月19日確認))。都の受付期間だけを見ていると、国の期限を過ぎてしまうことがあるので注意してください。

いつの分が対象になるか——休業の開始と経費の発生は別に見る

経費は令和8年度以降、つまり2026年4月1日以降に発生した分が対象です。休業自体はそれより前に始まっていても構いません。都の手引きの例では、2026年2月1日から2026年9月30日までの介護休業で代替職員を雇った場合、補助の対象は2026年4月1日から2026年9月30日までの6か月間です(制度。交付要綱 第6条・申請の手引き(2026年10月19日確認))。

育業・育児短時間勤務は、2024年1月1日以降に取得を開始したものが対象です(FAQ A18)。交付決定を受けた経費は、令和8年度中に事業を完了させる必要があります(制度。FAQ A29(2026年10月19日確認))。

申請の方法とスケジュール

  • 交付申請:2026年10月16日〜2027年2月15日(当日消印有効)
  • 申請方法:電子申請システム「jGrants」が基本。書面はやむを得ない事情がある場合のみ
  • 実績報告:令和8年12月頃に手続方法や締切を案内する予定
  • 支払い:令和9年1月から5月まで(予定)
  • 書類は事業完了後5年間保管

(制度。報道発表・チラシ・FAQ A29・A32(2026年10月19日確認))。

事務局は、国と都の申請に向けた「申請サポート」も行っています。補助金ホームページでは先着順20事業所までで、「TOKYO働きやすい福祉の職場宣言事業」の項目の達成(または達成に向けた申請手続)が要件です。チラシにある「希望多数の場合には、御希望に沿えない場合があります」は、この申請サポートについての注記です(制度。補助金ホームページ・チラシ(2026年10月19日確認))。問い合わせは事務局コールセンター(0570-200-823、平日午前9時から午後6時まで)です。

障害福祉ならではの注意点——補助金より先に人員基準を見る

サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者や、人員基準に数えている職員が休むときは、補助金より先に人員基準を確認してください。代わりの人が要件を満たしていないと、人員の欠如による減算の対象になることがあります。サービス管理責任者などが替わる場合は、指定を受けた自治体への変更届が必要になることもあります。届出の要否や期限は、指定を受けた自治体の手引きで確認が必要です(要確認)。サビ管・児発管が急に抜けたときの初動はサビ管・児発管が突然辞めたときの初動チェックリストにまとめています。

人事の目で見ると

休業の申出を受けた日に、代わりを「新しく雇う」のか「今いる職員に手当を払って担ってもらう」のかを決めておくと、この補助金を取りこぼしにくくなります。配置転換で埋めると代替職員の雇用の補助は対象外で、手当は労働協約か就業規則に定めがないと対象になりません。都の申請の手引きでも、国の助成金の要件として、介護休業に係る手続や賃金の取扱等は対象労働者の介護休業開始前に規定されている必要がある、と書かれています。休業に入ってから規程を探すのでは間に合わないことがあるので、手当の規程があるかどうかは、休業の予定が出る前に一度見ておくといいと思います(当事務所の見解)。

休業から戻った職員が辞めないようにする工夫は職員サーベイを定着につなげる記事に書いています。

誰に頼めるか——国の助成金と就業規則は社会保険労務士

  • 国の両立支援等助成金:雇用保険法にもとづく助成金なので、申請書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です
  • 業務代替手当を就業規則に定める作業:社会保険労務士の業務です
  • 東京都の補助金:都の要綱にもとづく補助金で、申請書類の作成・提出代行は行政書士が扱える手続です

国の手続と都の手続はつながっているので、社会保険労務士と段取りをそろえて進めることが大切です。当事務所が扱うのは都の補助金の申請書類で、国の助成金の申請と就業規則の作成は社会保険労務士にお願いする形になります。

地域差分——国の助成金と、東京都の上乗せ

国の両立支援等助成金は全国の制度です。この記事で説明した上乗せの補助は東京都の制度で、対象は都内の事業所と、要綱に定める都外施設です。東京都以外の事業所は、この上乗せの対象になりません。

ほかの道府県や市区町村に同じような上乗せがあるかは、この記事では確認していません。事業所のある自治体の案内で確認してください(2026年10月19日確認)。

たとえば、こんな場面で迷っていませんか

東京都内のグループホームで、世話人さんが来月から育休に入ることになった。代わりの人を雇う費用が重く、何か補助がないか探している。

放課後等デイサービスの児童指導員さんが、親の介護で介護休業をとることになった。代わりの人を雇うか、ほかの職員に手当を払って担ってもらうかで迷っている。

サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者が育休に入るので、代わりの人の手配と手当の扱いを、人員基準と一緒に考えておきたい。

当事務所にご相談いただいた場合の進め方

  1. 1. ご相談の前に手元に用意していただくもの
    休業する職員の職種・休業の種類と期間、代わりの人の確保方法(新しく雇う・派遣・今いる職員に手当)、就業規則や賃金規程の写し、国の両立支援等助成金の申請状況が分かるもの。
  2. 2. 初回30分の無料相談で一緒に確認すること
    対象のメニューと、国の助成金の支給決定が必要かどうかを整理します。サビ管・児発管など人員基準に関わる職員の休業なら、人員基準と届出への影響も一緒に確認します。
  3. 3. ご依頼後の進め方当事務所がやること:都の補助金の申請書類(jGrants)を作り、国の助成金の手続を担当する社会保険労務士(顧問の方がいればその方)と段取りを合わせます。料金は補助金申請サポートの料金表の考え方(着手金と成功報酬)によりますが、この補助金は料金表の区分に名前が無いため、金額はお見積もりでお伝えします。お客様にお願いすること:国の両立支援等助成金の申請と、業務代替手当を就業規則に定める作業は、社会保険労務士にご依頼ください(当事務所では行いません)。支給決定通知が届いたら写しをお送りください。
  4. 4. その後
    実績報告まで、国と都の期限を一緒に管理します。

料金は料金表と料金シミュレーションでご確認いただけます。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

💬 目加多のひとこと

休業の申出は、うれしい知らせと人手の心配が一緒にやってきます。補助金の前に、代わりを雇うのか手当で担ってもらうのか、手当の規程があるのか、この2つを確かめるところから始めてみてください。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。

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