— 30秒でわかる結論 —

Q. 処遇改善加算は、どの職種に配れるのですか?

国の通知(令和8年3月31日付 障障発0331第1号・こ支障第78号)は、「福祉・介護職員」としてホームヘルパー、生活支援員、児童指導員、保育士、世話人、職業指導員、地域移行支援員、就労支援員、就労定着支援員、就労選択支援員、地域生活支援員、訪問支援員、夜間支援従事者、共生型・特定基準該当事業所の介護職を挙げ、人員基準で置くべき職種に限らず、これらに該当する従業者は対象としています。就労A型の賃金向上達成指導員、就労B型の目標工賃達成指導員、児発・放デイの「指導員等」も含めて差し支えないとされています。さらに令和8年度から対象が「障害福祉従事者」に拡大され、配分は事業者の判断による事業所内の柔軟な配分が認められます(著しく偏った配分は不可)。あわせて、生産性向上や協働化に取り組む事業者への上乗せの加算区分が創設され、これまで対象外だった計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援にも処遇改善加算が新設されています。賃金改善は賃金水準を低下させないことが前提で、増加分はベースアップを基本とします(2026年9月23日確認)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 処遇改善加算の配分先で迷っている事業者の方
  • 事務職員や調理員に配れるか確認したい方
  • 令和8年度の変更点を押さえたい方

処遇改善加算は「誰に配るか」が決まっています

処遇改善加算は、受け取った額以上を職員の賃金改善に充てる加算です。では誰に配れるのか。国の通知(令和8年3月31日付 障障発0331第1号・こ支障第78号)は、「福祉・介護職員」として次の職種を挙げています(制度。2026年9月23日確認)。

区分職種の例
通知が列挙する福祉・介護職員ホームヘルパー、生活支援員、児童指導員、保育士、世話人、職業指導員、地域移行支援員、就労支援員、就労定着支援員、就労選択支援員、地域生活支援員、訪問支援員、夜間支援従事者、共生型・特定基準該当事業所に従事する介護職
人員基準との関係人員基準で置くべきとされている職種に限らず、上記に該当する従業者は対象
含めて差し支えない職員就労継続支援A型の賃金向上達成指導員、就労継続支援B型の目標工賃達成指導員、児発・放デイの「指導員等」(児童指導員等加配加算のその他の従業者)

そのうえで、令和8年度の改定で、加算の対象が「福祉・介護職員のみ」から「障害福祉従事者」に拡大されました。通知は、障害福祉従事者を対象に幅広く月1.0万円(3.3%)、生産性向上や協働化に取り組む事業者の福祉・介護職員にはさらに月0.3万円(1.0%)の上乗せ、定期昇給0.6万円を含めると最大月1.9万円(6.3%)の賃上げが実現する措置としています。

配分は、経験・技能のある福祉・介護職員の処遇改善が重要であることに留意しつつ、事業者の判断で事業所内の柔軟な配分が認められます。ただし一部の職員や一部の事業所に集中させるなど、職務の内容や勤務の実態に見合わない著しく偏った配分は行わないことと明記されています。

令和8年度の変更は3つ

自治体の案内では、令和8年度の処遇改善加算について次の3点が示されています(制度。長崎市・千葉県の案内。2026年9月23日確認)。

  • 対象者の拡大(障害福祉従事者)
  • 生産性向上や協働化に取り組む事業者に対する、上乗せの加算区分の創設
  • これまで対象外だった計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援に処遇改善加算を創設

賃金改善は、基本給・手当・賞与等のうち対象とする項目を特定して行い、賃金水準を低下させてはならないとされています。また、令和7年度と比べて増加した加算額による新規の賃金改善はベースアップ(賃金表の改訂による基本給等の一律の引上げ)を基本とし、それが難しい場合に手当・一時金を組み合わせても差し支えない、とされています。

— この段階でご相談いただく理由 —

「誰に配るか」は、就業規則・賃金規程と、実績報告の内容に直結します。対象職種の判断を間違えると、実績報告の段階で配分のやり直しになりかねません。年度の途中で職員を採用したときも、配分の考え方を決めておく必要があります。

<ご相談時にお持ちいただくもの>職員名簿(職種)/今年度の処遇改善計画書/賃金規程・手当の一覧。60分無料相談はこちら

算定の要件は3つ

通知が定める要件は、①月額賃金改善要件(処遇改善加算Ⅳの加算額の2分の1以上を基本給等へ)②キャリアパス要件Ⅰ(任用要件・賃金体系)③同Ⅱ(研修)④同Ⅲ(昇給の仕組み)⑤同Ⅳ(改善後の年額賃金)⑥同Ⅴ(配置等要件)⑦職場環境等要件で、区分ごとに満たすべき範囲が変わります。令和8年6月以降は⑧令和8年度特例要件(生産性向上・協働化の取組+加算Ⅱロの加算額の2分の1以上を基本給等へ)が加わり、加算Ⅰロ・Ⅱロの要件になります。

キャリアパス要件Ⅳの金額は、令和8年4月・5月は年額440万円以上が1人以上6月以降は年額460万円以上が1人以上。ただし職場環境等要件を全体で14以上実施していれば満たしたものとして扱われます

職場環境等要件の区分は、入職促進/資質の向上やキャリアアップに向けた支援/両立支援・多様な働き方の推進/腰痛を含む心身の健康管理/やりがい・働きがいの醸成/生産性向上の6つ、全28項目です。加算Ⅰ・Ⅱ(6月以降はⅠイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ)は区分ごとに2以上+生産性向上から3以上(⑱の課題の見える化は必須)、加算Ⅲ・Ⅳは区分ごとに1以上+全体で8以上、生産性向上から2以上。加算Ⅰ・Ⅱを算定する場合は取組内容を情報公表制度やホームページで公表します。

提出期限は年度当初だけ特例があります

算定を始める時期計画書の提出期限
原則(計画書)その事業年度において初めて算定する月の前々月の末日
令和8年4月・5月分6月以降の分とあわせて令和8年4月15日
加算新設事業所のみの事業者令和8年6月15日(計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援)
体制届算定を開始する月の前月15日まで
実績報告書最終の加算の支払があった月の翌々月の末日(令和8年度分は令和9年7月31日)。根拠資料とともに2年間保存

年度当初は前倒しの期限が設定されることがあり、6月以降は原則どおり前々月末日です。期限も様式も毎年変わる前提で、3月に指定権者のページを確認してください。

📗 計画書の期限は処遇改善加算の計画書は「前々月の末日」、実績報告は最終の加算の支払いがあった月の翌々月の末日にまとめています。

迷ったときの確認先

対象職種や配分の考え方で迷ったときは、書き方は厚生労働省のコールセンター(050-3733-0230、9時から18時、土日を含む)自分の事業所の要件の当てはめは指定権者、という使い分けが早いです。賃金規程の設計や就業規則の変更は社会保険労務士の業務になります。

そして毎年3月に、その年度の通知とQ&A、指定権者の様式を必ず取り直してください。処遇改善加算は、制度そのものがよく動く加算です。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内の提出先(再確認)

処遇改善の計画書・実績報告の提出先は各指定権者です。松戸市・市川市・流山市など県所管エリアは千葉県(ちば電子申請サービス。原則として郵送・メールは不可)、千葉市・船橋市・柏市・我孫子市から指定を受けている事業所は各市の担当課、令和8年6月から対象になった計画相談支援・障害児相談支援は各市町村です。なお、指定都市・中核市が指定権者の場合、処遇改善加算と人材確保・職場環境等改善事業の様式で提出先が異なる場合があると国の事務連絡でも注意喚起されています。様式ごとの提出先を、毎年確認してください(2026年9月23日確認)。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

処遇改善加算は、制度そのものが数年おきに動きます。私は、去年の資料を見ながら説明しないよう、3月になったら手元の資料を全部捨てて取り直すようにしています。古い職種リストで配分を決めてしまうのが、いちばん怖いからです。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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