— 30秒でわかる結論 —

Q. 処遇改善加算のお金は、どう配ればいいですか?

配分は事業者の判断で事業所内の柔軟な配分が認められていますが、令和8年度の通知(令和8年3月31日付 障障発0331第1号・こ支障第78号)には守るべき点が4つあります。①賃金水準を低下させないこと、②処遇改善加算Ⅳの加算額の2分の1以上を基本給または決まって毎月支払われる手当の改善に充てること(月額賃金改善要件)、③令和7年度と比べて増加した加算額による新規の賃金改善はベースアップを基本とすること(難しい場合は手当・一時金との組合せも可)、④一部の職員や事業所に集中させるなど、職務や勤務の実態に見合わない著しく偏った配分をしないことです。年度末には実績報告書で加算額と賃金改善額を報告し(令和8年度分は令和9年7月31日)、根拠資料とともに2年間保存します(2026年9月24日確認)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 処遇改善加算の配分を決める立場の方
  • 一時金でまとめて払っていて、これでよいか不安な方
  • 実績報告で差が出ないようにしたい方

配り方は自由。ただし「4つの縛り」があります

処遇改善加算は、受け取った額以上を職員の賃金改善に充てる加算です。令和8年度の通知(令和8年3月31日付 障障発0331第1号・こ支障第78号)は、配分について事業者の判断で事業所内の柔軟な配分を認めるとしています。その一方で、次の4つは守る必要があります(制度(2026年9月24日確認))。

縛り内容
① 賃金水準を下げない賃金改善は、基本給・手当・賞与等のうち対象とする項目を特定して行い、賃金水準を低下させてはならない
② 月額賃金改善要件処遇改善加算Ⅳの加算額の2分の1以上を、基本給または決まって毎月支払われる手当の改善に充てる
③ ベースアップが基本令和7年度と比べて増加した加算額による新規の賃金改善は、賃金表の改訂による基本給等の一律の引上げ(ベースアップ)を基本とする。難しい場合は手当・一時金の組合せも可
④ 偏った配分をしない一部の職員や一部の事業所に集中させるなど、職務の内容や勤務の実態に見合わない著しく偏った配分は行わない

つまり「一時金でまとめて払えばよい」「気に入った職員に厚く」は、どちらも通りません。毎月の賃金に乗せる部分を先に決め、残りを手当や一時金で調整するのが、通知の趣旨に沿った順番です。

誰に配れるか

令和8年度から、加算の対象は「福祉・介護職員のみ」から「障害福祉従事者」に拡大されました。通知は、経験・技能のある福祉・介護職員の処遇改善が重要であることに留意しつつ、事業所内の柔軟な配分を認めるとしています。対象職種の具体的な範囲は、別の記事で整理しています。

— この段階でご相談いただく理由 —

配り方を決めるとき、いちばん多い失敗は「計画書に書いた配分」と「賃金規程」がずれることです。計画書は指定権者に出す約束、賃金規程は職員との約束。2つが食い違うと、実績報告で説明がつきません。計画書を書く前に、規程の側を先に整えるのが安全です。

<ご相談時にお持ちいただくもの>今年度の処遇改善計画書/賃金規程と手当の一覧/職員名簿(職種)。60分無料相談はこちら

実績報告で見られるもの

年度が終わったら、実績報告書で加算の総額と賃金改善の総額を報告します。令和8年度分の期限は令和9年7月31日で、賃金改善の実施を確認できる根拠資料とともに2年間保存することとされています。

  • 加算額≦賃金改善額になっているか。
  • 月額賃金改善要件(②)を満たす配分になっているか。
  • 賃金水準を下げていないか(前年度との比較)。

ここで差が出た場合、返還や指導の話になります。半期に一度、加算の入金額と支給額を並べて確認しておくと、7月に慌てません。

就業規則がない小さな事業所は

常時雇用する者が10人未満で就業規則の作成義務がない事業所は、就業規則の代わりに内規等の整備・周知でも差し支えないとされています。ただし、賃金改善の内容が職員に周知されていることは前提です。紙で配り、受領の記録を残すところまでやっておくと、運営指導でも説明できます。

📗 対象職種と令和8年度の変更点は処遇改善加算は誰に配れるのか、期限は実績報告は翌々月の末日にまとめています。

社労士との分担

賃金規程の設計や就業規則の変更は社会保険労務士の業務です。当事務所は、計画書・実績報告の作成支援と、配分が通知の縛りに合っているかの確認をお手伝いしています。「どう配るか」の設計を先に決め、その内容を規程と計画書に落とす。この順番を守るだけで、年度末の作業が軽くなります。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内の提出先と、書き方の問合せ先

計画書・実績報告の提出先は各指定権者です。松戸市・市川市・流山市など県所管エリアは千葉県(ちば電子申請サービス)、千葉市・船橋市・柏市・我孫子市から指定を受けている事業所は各市、令和8年6月から対象になった計画相談支援・障害児相談支援は各市町村です。様式の書き方は厚生労働省のコールセンター(050-3733-0230、9時から18時、土日を含む)、自分の事業所の当てはめは指定権者へ。配り方の設計は、社会保険労務士と分担しながら進めてください(2026年9月24日確認)。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

「加算のお金を一時金でまとめて払っています」というご相談は、実は毎年あります。悪気はなく、毎月の計算が面倒だからです。ただ通知は、毎月の賃金に乗せることを求めています。ここを最初に整えるだけで、実績報告の季節がずいぶん楽になります。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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