— 30秒でわかる結論 —
Q. 銀行に「試算表はありますか」と言われました。作っていないのですが、まずいですか?
今すぐ致命的ではありませんが、作れる体制にする価値は非常に大きいです。試算表は月ごとの仮決算書で、銀行にとって「決算書=過去1年、試算表=今」という位置づけ。決算後に業況が変わった時の説明、期中の融資申込み、創業初年度の審査では、試算表が実質的な主役になります。始め方は3つ——①記帳を月内に締める(会計ソフトの銀行連携で自動化)②税理士との分担と締め日を決める③毎月同じ形式で出す。そして借りていない時期も試算表を持って銀行と話す習慣を——「今の数字」を開示し続ける会社は、いざという時に速く借りられる会社になります。
融資支援の現場で、合否を分ける小さな一言があります。「直近の試算表、ありますか?」——サッと出せる会社と、「え、試算表って何ですか」の会社。今日はこの差の正体と埋め方です(2026年7月時点の一般的整理)。
試算表とは——「月ごとの仮決算書」
試算表は、その月までの売上・費用・利益(損益)と資産・負債(貸借)を一覧にした月次の仮決算書です。会計ソフトに記帳していれば、ボタン一つで出力できる帳票——つまり試算表が出せないのは、記帳が溜まっているサインでもあります。
銀行はなぜ試算表を欲しがるのか——「決算書は過去、試算表は今」
| 場面 | 試算表の役割 |
|---|---|
| 決算が赤字→その後回復 | 回復を数字で証明する唯一の資料 |
| 期中の融資申込み | 直近の実力の確認資料 |
| 創業初年度(決算なし) | 計画と実績の対比=実行力の証明 |
| 業況悪化の相談 | 早期開示が信頼をつなぐ(苦しい時の順番) |
月次を回す最低限の仕組み——3点だけ
①記帳を月内に締める——レシートの山は月次の敵。会計ソフトの銀行口座・カード連携で入力の大半は自動化できます。②税理士との分担を決める——記帳は自社でやるのか委託か、月次の締めは何営業日目か。「決算の時だけ」の関係を「毎月の関係」に変える相談をしてみてください(記帳・税務は税理士の領域のため、当事務所は提携税理士と連携します)。③毎月同じ帳票で見る——前月比・前年同月比の推移が見える形式に固定すると、経営の異変に自分で気づけるようになります。13週資金繰り表が「現金の未来」を見る道具なら、試算表は「損益の現在」を見る道具——両輪です。
仕上げ——借りていない時こそ、銀行に数字を持っていく
年に数回、試算表と決算のポイントを持って金融機関に近況報告する——それだけで御社は「数字で話せる取引先」になります。メインバンクを育てる最も具体的な方法が、この月次×開示の習慣です。当事務所は財務コンサルタントとして、月次の仕組みづくり(帳票の設計・締めの運用)と銀行向け説明資料の作成を伴走します。
📍 千葉県ローカルメモ|介護事業は月次2枚看板が特に効く
介護・障害福祉の事業所は国保連入金のズレで損益と資金繰りの感覚が狂いやすく、月次試算表+入金予定表の2枚看板が特に効きます。千葉県内の事業所の月次体制づくり、提携税理士と連携してお手伝いします。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
前職で毎月の予実管理に向き合っていた身として断言しますが、月次の数字は経営の視力です。年1回の健康診断だけで体調管理する人がいないように、決算書だけの経営は、見えないまま走っているのと同じです。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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