— 30秒でわかる結論 —

Q. 新人がすぐ辞めてしまいます。何を変えればいいですか?

まず入社後90日の過ごさせ方を見直してください。早期離職の典型は「初日に道具と席が用意されていない」「誰に聞けばいいかわからない」「できているのかどうか誰も言ってくれない」——つまり放置です。対策は30日刻みの設計:〜30日は不安の解消(相談相手を名前で指名・週1の声かけ)、31〜60日は小さな成功体験(一人で完結できる仕事を渡す)、61〜90日は振り返り面談(できるようになったことの棚卸しと次の目標)。費用はほぼかかりません。「教える内容」より先に「放置しない仕組み」を作ることが、最も安い定着投資です。

採用の相談を受けると、話は必ず定着に行き着きます。今日は、当事務所がお渡ししている入社後90日の設計テンプレートを公開します(人事15年の実務整理。業種を問わず使えます)。

なぜ90日か——離職の意思決定は早い

「辞めます」と言われるのは半年後でも、心が決まるのは最初の90日であることが多い——15年間、退職面談で聞き続けた実感です。理由は驚くほど共通しています。初日に席と道具がなかった。誰に聞けばいいかわからなかった。自分ができているのか、誰も教えてくれなかった。すべて、設計で防げるものです。

30・60・90日テンプレート(チェックリスト)

期間テーマやることチェック
〜30日不安の解消☑初日の席・道具・昼食の相手 ☑仕事の全体像を1枚で説明 ☑相談相手を名前で指名 ☑週1の5分声かけ
31〜60日小さな成功体験☑一人で完結できる仕事を渡す ☑できたことを言葉で返す ☑本人の「やりにくさ」を1つ改善する
61〜90日振り返りと次の目標☑90日面談(できるようになったことの棚卸し)☑次の90日の目標を本人の言葉で決める ☑処遇・シフトの約束の履行確認

※当事務所の実務テンプレート(一例)。自社の業務に合わせて項目を差し替えてください。

つまずきやすい2つのポイント

①「相談相手」は役職者にしない——上司には聞きにくいことこそ、新人の不安の本体です。年次の近い先輩を名前で指名し、その先輩に「あなたの仕事です」と役割として渡してください。②面談は「評価」にしない——90日面談の目的はジャッジではなく、できるようになったことを本人に自覚させること。ここを評価面談にすると、面談自体が離職の引き金になります(1on1面談の設計)。

採用費を「受け入れ」に再配分する

このテンプレートの費用はほぼゼロ——必要なのは、担当者の時間と「放置しない」という決めごとだけです。求人媒体に払うお金の一部をこの設計に回すだけで、採用単価(定着まで含む)は目に見えて下がります(採用費用のマトリクス)。当事務所はキャリアコンサルタントとして、テンプレートの自社版づくりから面談者のトレーニングまでお手伝いします(お金と人の総合支援)。

📍 千葉県ローカルメモ|処遇改善加算の要件と連動させる

介護・障害福祉の事業所では、90日設計を処遇改善加算のキャリアパス要件・研修計画と連動させると、加算の実務と定着施策が一枚で回ります。千葉県内の事業所での導入支援を行っています。

※2026年7月30日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

退職面談を15年やって学んだのは、人は「仕事が大変だから」より「放っておかれたから」辞めるということでした。90日プランは、その反省を仕組みにしたものです。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。

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