— 30秒でわかる結論 —
Q. 認定NPO法人と特例認定NPO法人は、何が違いますか?
特例認定は、設立初期の法人向けの助走の制度です。対象は設立の日から5年を経過しない法人で、有効期間は特例認定の日から3年、更新はありません。最大の特徴は、認定基準のうちパブリック・サポート・テスト(PST)が免除されることです。ただし認定を受けたことがある法人は特例認定を受けられず(法第59条第3号)、法人自身の優遇であるみなし寄附金は本認定からです。一方、認定(本認定)の有効期間は5年で、更新申請は有効期間の満了の日の6か月前から3か月前までの3か月間に行います(法第51条第3項)。特例認定の3年が終わるときは「更新」ではなく、あらためて認定の申請をすることになります(2026年9月23日確認)。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 設立して間もないNPO法人で、寄附を集めたい方
- 認定を目指していて、どのルートがよいか迷っている方
- 特例認定の3年が近づいている法人の方
4つの制度を、1枚で整理します
NPOの制度は「認証」「認定」「特例認定」「条例指定」と似た言葉が並びます。まず違いを確かめてください。
| 制度 | 誰が | 中身 | PST |
|---|---|---|---|
| 認証 | 所轄庁 | 法人格を得るための手続き(設立) | — |
| 認定 | 所轄庁 | 運営組織・事業活動が適正で公益の増進に資すると認められる | 必要 |
| 特例認定 | 所轄庁 | 設立初期の法人向け。3年間の税制優遇等 | 免除 |
| 条例指定 | 都道府県・市区町村 | 個人住民税の寄附金税額控除の対象に | 指定がPSTの基準になる |
認定の基準は8項目(PST、活動の対象、運営組織及び経理、事業活動の内容、情報公開、事業報告書等の提出、法令違反等がないこと、設立の日から1年を超える期間が経過していること)で、特例認定はこのうちPSTが免除される形です(制度。相模原市の制度説明資料。2026年9月23日確認)。
特例認定は「設立初期の1回だけ」です
- 対象——設立の日から5年を経過しない法人。
- 有効期間——特例認定の日から3年。更新はありません。
- 1回限り——認定を受けたことがある法人は、特例認定を受けられません(法第59条第3号)。
- みなし寄附金は使えません——法人自身の優遇(収益事業から特定非営利活動への支出を寄附金とみなす扱い)は、本認定から。
つまり特例認定は、寄附の実績を積むための3年間の助走期間です。この3年のあいだに、本認定に必要な寄附者の記録を整えられるかどうかが勝負になります。
— この段階でご相談いただく理由 —
特例認定を取っても、3年後に本認定へ進めなければ振り出しに戻ります。寄附者名簿は遡って作れません。氏名・住所・金額・受入年月日を、受け取ったその月のうちに記録する運用を、特例認定の申請と同時に始めてください。
<ご相談時にお持ちいただくもの>設立年月日/直近の決算書類/寄附の受け方(現金・振込・オンライン)/寄附者名簿の有無。60分無料相談はこちら
本認定は5年、更新は「満了の6か月前から3か月前まで」
本認定の有効期間は認定の日から5年です。更新の申請ができるのは有効期間の満了の日の6か月前から3か月前までの3か月間だけで、この期間に申請しないと(災害その他やむを得ない事由を除き)あらためて認定の申請になります(法第51条第3項)。
特例認定には更新がないため、3年の期間が終わる前に本認定の申請を行うことになります。特例認定と本認定で、進み方がまったく違う点に注意してください。
| 区分 | 有効期間 | 次にすること |
|---|---|---|
| 特例認定 | 3年(更新なし) | 期間内に認定(本認定)の申請 |
| 認定 | 5年 | 満了の6か月前から3か月前に更新申請 |
📗 PSTの数え方は認定NPOの「3,000円×100人」は、集め方より数え方で決まる、更新の実務は認定NPO法人の有効期間は5年にまとめています。
どの順番で目指すか
- 設立から5年以内で、寄附実績がこれから——特例認定を取り、3年で寄附の記録を積む。
- 寄附者が年平均100人(3,000円以上)を見込める——絶対値基準で本認定を目指す。
- 寄附金等収入の割合が5分の1以上ある——相対値基準を検討する。
- 自治体に条例指定の制度がある——指定を受ければPSTの基準を満たせる。
どのルートを選ぶかで、準備する書類も、日々の記録の取り方も変わります。認定は「申請の作業」ではなく「5年間の運営の設計」だと考えてください。
参考にした一次資料
- 相模原市「NPO制度の概要」認証・認定・特例認定・条例指定の比較と認定基準8項目(2026年9月23日確認)
- 内閣府NPOホームページ「認定制度について」有効期間と更新(2026年9月23日確認)
- 横浜市「条例による個別指定制度」PSTの3つの基準(2026年9月23日確認)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内で申請するとき
認定・特例認定の申請先は所轄庁です。千葉県内なら、千葉市内のみに事務所がある法人は千葉市長、松戸市・市川市・柏市・船橋市など千葉市以外に事務所がある法人は千葉県知事になります。様式や部数、提出方法は所轄庁ごとに異なるため、最新の手引きを取り寄せてください。また、条例指定の制度があるかどうかは自治体の任意です。2026年9月23日時点で、千葉県・松戸市が条例指定制度を設けていることを示す公表情報は確認できませんでした(制度がないと断定するものではありません。県税・市税の担当課にご確認ください)。条例指定を受けられればPSTの基準を満たせるため、認定を目指す法人は、県と市の両方のページを確認する価値があります(2026年9月23日確認)。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
特例認定は、寄附の実績がこれからの法人にとって心強い制度です。ただ3年は、思っているより早く過ぎます。私は特例認定の申請をお手伝いするとき、同じ日に「寄附者名簿の書き方」をお渡しするようにしています。3年後に効いてくるのは、そこだからです。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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