— 30秒でわかる結論 —
Q. NPO法人の「条例指定」とは何ですか?
都道府県や市区町村が、条例でNPO法人を個別に指定する制度です。指定されたNPO法人に個人が寄附すると、個人住民税の寄附金税額控除が受けられます(地方税法第37条の2・第314条の7)。県が指定すれば個人県民税、市町村が指定すれば個人市町村民税が対象です。京都府の例では、寄附金のうち2千円を超える額について府民税4%、市町村民税6%、両方の指定で合わせて10%が控除されます(指定都市に住所がある人は2%と8%)。さらに、条例指定を受けると認定NPO法人のパブリック・サポート・テスト(PST)基準をクリアすることになり(NPO法第45条第1項第1号ハ)、認定への別ルートになります。制度の有無・基準・手続は自治体ごとに違い、千葉県・松戸市の制度については本記事時点で確認できていません(要確認)(2026年9月22日確認)。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 寄附を集めているNPO法人の理事・事務局の方
- 認定NPOを目指しているが、寄附者100人が難しい法人の方
- 寄附の呼びかけで税の優遇を説明したい方
条例指定は「住民税」の優遇で、認定とは別の制度です
NPO法人への寄附に税の優遇が付く仕組みは、認定NPO法人だけではありません。都道府県や市区町村が、条例で個別にNPO法人を指定する制度があります。指定されたNPO法人へ個人が寄附すると、個人住民税の寄附金税額控除の対象になります(地方税法第37条の2・第314条の7。制度。京都府・神奈川県の案内。2026年9月22日確認)。
| 制度 | 誰が決めるか | 効く税 |
|---|---|---|
| 認定・特例認定NPO法人 | 所轄庁(都道府県知事・指定都市の長) | 所得税(寄附金控除・税額控除の選択)など |
| 条例指定のNPO法人 | 都道府県・市区町村(条例) | 個人住民税(寄附金税額控除) |
神奈川県は、指定NPO法人に個人が寄附すると、県の指定なら個人県民税、市町村の指定なら個人市町村民税が寄附金税額控除の対象になると説明しています。つまり、県と市の両方で指定を受けているかどうかで、寄附者の控除の大きさが変わります。
控除の大きさは「県4%+市町村6%」の組み合わせ
京都府の案内では、府の指定NPO法人に寄附すると、寄附金のうち2千円を超える額の4%が個人府民税から税額控除されます(指定都市に住所がある人は2%)。住民登録している市町村も同じ法人を指定していれば、市町村民税6%(指定都市は8%)が加わり、合わせて10%になります。滋賀県も、県指定のNPO法人への寄附は原則として寄附金から2,000円を引いた額の4%が個人県民税から税額控除されると案内しています。
| 指定の状況(京都府の例) | 個人住民税の控除(2千円を超える部分) |
|---|---|
| 府だけが指定 | 府民税4%(指定都市の住民は2%) |
| 市町村だけが指定 | 市町村民税6%(指定都市は8%) |
| 府と市町村の両方が指定 | 合わせて10% |
さらに京都府は、その法人が認定NPO法人になれば、所得税で2千円を超える額の40%が税額控除される(上限あり)とも案内しています。条例指定と認定を重ねると、寄附者にとっての優遇が大きくなる、という関係です。
— この段階でご相談いただく理由 —
条例指定の制度は自治体ごとに、あるかないか・基準・手続が違います。寄附を集める法人にとっては、住んでいる人・活動している地域の自治体で指定を受けられるかどうかが、寄附の呼びかけ方を変えます。認定の準備とあわせて、先に調べておく価値があります。
<ご相談時にお持ちいただくもの>定款/直近の事業報告書と活動計算書/寄附者名簿の状況/主に活動している市町村。60分無料相談はこちら
指定を受けると、認定のPSTもクリアできる
条例指定には、もう一つ大きな効果があります。名古屋市は、指定を受けると認定NPO法人制度のパブリック・サポート・テスト(PST)基準をクリアすることになり、認定取得の道が広がると説明しています(NPO法第45条第1項第1号ハ)。
PSTには、相対値基準(寄附金の割合が5分の1以上)、絶対値基準(3,000円以上の寄附者が年平均100人以上)、条例で個別に指定されていることの3つの選び方があります(横浜市の資料)。寄附者を100人集めるのが難しい法人にとって、条例指定は認定への別ルートになりえます。
📗 認定の税制優遇の全体像は認定NPOの税制優遇は3方向に、絶対値基準の数え方は認定NPOの「3,000円×100人」は数え方で決まるにまとめています。
指定の基準(名古屋市の例)
指定の基準は自治体の条例で決まります。名古屋市が示している基準は次のとおりで、認定の基準と似た構成です(制度。名古屋市市民活動推進センター「指定NPO法人制度の概要」。2026年9月22日確認)。
- 市内に住所を有すること
- 市内で公益性の高い特定非営利活動に係る事業を行っていること
- 市民等からの支援を受けていること
- 事業活動において、共益的な活動の占める割合が50%未満であること
- 運営組織及び経理が適切であること
- 事業活動の内容が適正であること
- 情報公開を適切に行っていること
滋賀県は、指定の申出を検討する場合は書類の作成に留意すべき点が多いため、事前相談を活用するよう案内しています。どの自治体でも、まず担当課への相談から始まると考えてよさそうです。
千葉県・松戸市で調べるときの注意
本記事の作成時点で、千葉県および松戸市に条例指定の制度があるかどうか、その基準と手続は確認できていません(要確認)。制度の導入は各自治体の任意です。確認するときは、次の順番で当たってください。
- 県のNPO担当課のページで「条例指定」「控除対象特定非営利活動法人」「指定NPO法人」の案内があるか
- 事務所のある市、主な活動地域の市町村で同じ制度があるか
- 制度がある場合は、指定の基準・申出の時期・事前相談の窓口
参考にした一次資料
- 京都府「控除対象NPO法人制度(条例による個別指定制度)」2026年5月22日更新(2026年9月22日確認)
- 神奈川県「認定・指定法人に寄附をした場合について」2026年1月9日更新(2026年9月22日確認)
- 名古屋市市民活動推進センター「指定NPO法人制度の概要」(指定の基準・PST)(2026年9月22日確認)
- 滋賀県「県指定NPO法人制度」(税額控除4%・事前相談)(2026年9月22日確認)
- 横浜市「条例による個別指定制度」PSTの3つの基準(2026年9月22日確認)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内で確かめる順番
条例指定は自治体ごとの制度なので、千葉県の制度と、事務所のある市(松戸市・市川市・柏市など)の制度を別々に確認する必要があります。本記事の作成時点では、千葉県・松戸市の制度の有無は確認できていません(要確認)。なお、認定NPO法人の所轄庁は、千葉市内のみに事務所がある法人は千葉市長、それ以外は千葉県知事です。認定の窓口(所轄庁)と、条例指定の窓口(各自治体の担当課)は別なので、それぞれに確認してください(2026年9月22日確認)。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
認定の相談をしていると、「寄附者100人は正直きびしい」という声をよく聞きます。そのとき、条例指定という別の入口があることをお伝えすると、表情が変わることがあります。ただし制度があるかどうかは地域次第です。調べてから期待していただくようにしています。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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