— 30秒でわかる結論 —
Q. 父の建設会社を継ぎます。建設業許可は取り直しですか?
取り直さずに済む道があります。建設業法の改正(2020年10月施行)で承継の認可制度が整備され、事業譲渡・合併・分割は事前の認可を受けることで、許可の空白期間なく引き継げるようになりました。個人事業主の死亡による相続は、死亡後30日以内の認可申請が必要です。ただし認可には、承継後も経営業務の管理責任者・営業所技術者などの要件を満たしていることが前提——「誰が経管になるか」の準備が実質的な本丸です。
「代替わりのとき、許可はどうなるんですか?」——建設業の経営者から必ず受ける質問です。以前は「新会社(新事業主)で取り直し、その間は500万円以上の工事が請けられない」という空白問題がありましたが、いまは制度が変わっています。
承継認可制度——「事前」がキーワード
事業譲渡・合併・会社分割による承継は、効力発生日の前に認可を受けるのが原則です。認可の日に旧事業者の許可の地位がそのまま新事業者へ引き継がれ、許可番号の空白期間が生じません。逆に言えば、譲渡契約を結んでから「そういえば許可は…」では手遅れになりかねない——M&Aや法人成りのスケジュールに、認可申請の期間(数か月前からの事前相談)を最初から組み込むことが肝心です。
相続は「30日以内」——弔いの中の手続き
個人事業主が亡くなった場合、相続人は死亡後30日以内に認可を申請すれば、被相続人の許可の地位を引き継げます(認可までの間も営業可能な仕組み)。30日は、葬儀と悲しみの中ではあっという間です。個人事業で許可をお持ちの方は、元気なうちに「誰が継ぐか・要件を満たせるか」を確認しておく——これが家族への何よりの備えになります。
認可の実質要件——「箱」より「人」
承継認可で審査されるのは、承継後の事業者が許可要件を満たすかどうか。つまり、①経営業務の管理責任者(後継者に経営経験はあるか。役員経験の年数の積み方が論点)、②営業所技術者(専任技術者)の確保、③社会保険・財産要件です。とくに経管は「5年以上の役員経験等」が基本のため、承継の5年以上前から後継者を取締役に登記しておく——事業承継は登記簿から始まる、と言っても過言ではありません。
経審・入札への影響も設計に入れる
公共工事を手がける会社は、承継が経審の完成工事高や実績の引き継ぎにどう働くかも重要です。承継の形(譲渡か分割か)によって取り扱いが変わり得るため、入札戦略と一体で設計するのが安全です。当所では、後継者の要件づくり→承継スキームの選択→認可申請→承継後の経審・入札まで、一気通貫で伴走します。
📍 千葉県ローカルメモ|承継認可の相談窓口
建設業の知事許可に関する承継認可の相談・申請先は、事業所がどの市にあっても市役所ではなく千葉県です。事前認可が原則のため、譲渡日・合併期日が固まる前——スキーム検討の段階での事前相談をおすすめします。大臣許可(複数都道府県に営業所)の場合は国の窓口になります。
※2026年7月20日時点の一般的な区分です。個別の管轄・手続きは各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
事業承継のご相談で最初に開くのは、決算書ではなく登記簿です。後継者が役員になった日から、経管要件の時計が回り始めるから。「まだ早い」と思っている今日が、一番早い準備日です。人事出身の行政書士として、後継者の育成計画まで含めてご一緒します。
まとめ
建設業許可は承継認可制度で空白なく引き継げます。譲渡・合併は事前認可、相続は30日以内、そして実質準備は経管・技術者の要件づくり。スキーム設計から認可申請まで伴走します。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の建設業を支援しています(オンラインで全国対応も可)。
※認可の要件・手続きは2026年7月20日時点の一般的な整理です。承継の形態・許可区分により異なるため、個別のスキームは事前相談で確認します。