— 30秒でわかる結論 —
Q. 専任技術者が退職して後任がいません。許可はどうなりますか?
要件を欠いた状態を放置してはいけません。選択肢は2つ——①速やかに後任を確保して変更届を出す(社内の資格者・実務経験者の棚卸しを最優先で)、②確保できない場合は該当業種の廃業届(一部廃業)を提出する。要件を欠いたまま営業を続けると、許可の取消しにつながり、取消し歴は5年間の欠格要件として再取得を妨げます。「černá出せば損」ではなく、誠実な届出こそが将来の再取得への最短ルートです。
開業の記事は多くても、「やめ方」の記事はほとんどありません。でも実務では、撤退・縮小・要件欠如の相談は日常的にあります。きれいなやめ方は、次の始め方——その視点で整理します。
廃業届は「30日以内」の義務
建設業を廃止したとき、法人が解散したとき、個人事業主が亡くなったとき——廃業等の事実から30日以内に届出が必要です。「もう工事をしていないから放っておけばいい」は誤り。毎年の決算変更届の未提出が積み重なり、更新もできず、行政庁の記録に不誠実な履歴が残る——この状態は、同じ経営者が将来もう一度許可を取ろうとするときに確実に足を引っ張ります。
「一部廃業」という選択肢——業種単位で身軽になる
許可は29業種ごとに受けているため、やめるのも業種単位でできます。たとえば「とび・土工と舗装は続けるが、管工事は技術者の退職でやめる」——これが一部廃業です。使わない業種のために技術者要件を維持し続けるのは負担なので、事業の実態に合わせて許可のポートフォリオを整理するのは健全な経営判断。経審や入札への影響(該当業種の格付け消滅)だけ確認してから進めましょう。
要件欠如の初動——「空白の作り方」で差がつく
経管や専任技術者の退職・死亡で要件を欠いたときの初動は、①社内に代われる人がいないか資格・経歴の総点検(実務経験での該当が見つかることは多い)、②採用・グループ会社からの転籍の可能性、③それでも無理なら期限内の届出。ここで無理な名義借りに手を出すのは最悪の選択です——発覚すれば取消し・欠格で、再起の道まで塞がれます。誠実な一部廃業→体制を整えて再申請、が正道です。
再取得を見据えた「資産の保存」
廃業しても、過去の実務経験・工事実績は消えません。将来の再取得や、従業員が独立して許可を取るときのために、①工事請負契約書・注文書・請求書(実務経験の証明資料)、②在籍と役職のわかる書類、③決算変更届の控え——を廃業時にこそ整理・保存しておくこと。当所では、廃業届とセットで「再取得のための資料保存リスト」をお渡ししています。撤退戦こそ、専門家の伴走が効く局面です。
📍 千葉県ローカルメモ|廃業届の提出先
千葉県知事許可の廃業届・一部廃業届の提出先は千葉県です(事業所がどの市にあっても市役所ではありません)。大臣許可は国の窓口へ。要件欠如の相談は、届出期限が迫る前——退職の辞令が見えた段階でご相談いただくのが、選択肢が最も多いタイミングです。
※2026年7月22日時点の一般的な区分です。個別の管轄・手続きは各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
廃業のご相談は、皆さん少し申し訳なさそうにお見えになります。でも私は、撤退の意思決定ができる経営者を尊敬します。大切なのは、やめ方に嘘がないこと。きれいな撤退は、数年後の「もう一度」の最強の推薦状になります。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
プロフィールを見る →まとめ
廃業・要件欠如は30日以内の届出が義務。一部廃業で身軽になる選択肢もあり、誠実な届出と資料保存が再取得への資産になります。撤退・縮小の設計から届出まで伴走します。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の建設業を支援しています(オンラインで全国対応も可)。
※2026年7月22日時点の一般的な整理です。個別の判断は許可行政庁への確認を行います。