— 30秒でわかる結論 —
Q. 介護・障害福祉の事業所でも補助金は使えますか?
使えます。報酬(介護給付費・訓練等給付費)と補助金は別の制度で、福祉事業所も中小企業者として国・自治体の補助金の対象になります(ただし社会福祉法人・NPO法人は制度によって対象外または要件があるため、法人格ごとの確認が必要です)。使いやすい型は、①ICT・システム導入(デジタル化・AI導入補助金、松戸市デジタル化チャレンジ補助金:記録・請求ソフト、シフト管理、送迎の配車管理など。松戸市の制度はソフト導入が経費の半分以上が条件)、②設備投資・省力化(中小企業省力化投資補助金:入浴介助・移乗支援機器などで人手不足の解消と賃上げを計画に組む)、③販路開拓・広報(小規模事業者持続化補助金:就労B型の製品の販路開拓、事業所案内。Web関連費のみは不可)、④福祉分野の施設整備(都道府県・市町村の障害福祉施設整備費補助など。公募時期と協議が必要)、⑤人材・研修(自治体の人材確保事業。雇用関係助成金は社会保険労務士の領域)。福祉ならではの注意は、報酬や加算の要件で整備した設備と補助金を重ねられるかは制度による(同一経費の重複補助は不可)、売上の伸びは定員・稼働率・加算の取得で説明する、B型の生産活動は工賃と事業所収支の区分を整理する、の3点です。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 介護・障害福祉の事業所を運営していて、補助金は自分たちには関係ないと思っていた方
- 記録の二重入力や入浴介助の負担を、ICTや機器で減らしたい管理者の方
- 就労継続支援B型で、製品の販路開拓に補助金を使いたい法人の方
📗 関連の深掘り——施設整備の補助が「施設種別」で対象を分ける実例(東京都のGH修繕:外壁・防水の老朽化はGH単独では入口がない、6つの入口と締切)はこちらの記事で扱っています。
「福祉事業所は補助金と縁がない」は誤解
介護・障害福祉の事業所から「うちは補助金の対象外ですよね」と言われることがよくあります。誤解です。報酬(介護給付費・訓練等給付費)と補助金は別の制度で、福祉事業所も中小企業者として国・自治体の補助金を使えます。ただし、法人格によって対象・要件が異なる点(株式会社・合同会社は多くの制度で対象、社会福祉法人・NPO法人は制度により対象外または要件あり。例:小規模事業者持続化補助金は社会福祉法人が対象外、NPO法人は一定の要件を満たす場合に対象)と、福祉事業所ならではの注意点があるので、そこを先に整理します。
福祉事業所が使いやすい補助金の型
| 型 | 例 | 福祉事業所での使いどころ |
|---|---|---|
| ICT・システム導入 | デジタル化・AI導入補助金、松戸市デジタル化チャレンジ補助金(〜令和9年2月27日・補助率2/3・上限50万円) | 記録・請求ソフト、シフト管理、送迎の配車管理、見守り機器。松戸市の制度はソフト導入が経費の半分以上という条件 |
| 設備投資・省力化 | 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型は随時受付/一般型は第8回が9月中旬受付開始予定。入れたい機器がカタログに無ければ一般型) | 入浴介助機器、移乗支援機器、清掃・調理の省力化(対象製品かどうかは制度ごとに要確認)。人手不足の解消と賃上げを事業計画に組み込む |
| 販路開拓・広報 | 小規模事業者持続化補助金(第20回は11月5日〜12月15日予定) | 就労B型の製品の販路開拓、事業所案内・ウェブサイト(ウェブ関連費のみは不可) |
| 福祉分野の施設整備 | 都道府県・市町村の障害福祉施設整備費補助、地域介護・福祉空間整備等交付金 | 建物の新築・改修。自治体の公募時期と協議が必要で、指定申請と同時進行になる |
| 人材・研修 | 各自治体の介護・障害福祉人材確保事業(研修費補助、資格取得支援 など) | 初任者研修・強度行動障害支援者養成研修の受講費。雇用関係助成金(雇用保険財源)は社会保険労務士の領域 |
福祉事業所ならではの3つの注意
- 報酬で買ったものと補助金で買ったものを分ける——加算の要件で整備した設備(例:送迎車両、機能訓練の機器)に補助金を重ねられるかは制度による。同一の経費に国・自治体の補助を重複して受けることはできない。
- 「売上」の考え方——補助金の事業計画では付加価値額や売上の伸びを示すが、福祉事業所の売上は報酬単価×利用者数で決まる。定員・稼働率・加算の取得で伸びを説明する。
- 就労継続支援B型の生産活動——B型の製品・サービスの販路開拓は、持続化補助金の典型的な使い道。ただし利用者の工賃と事業所の収支の区分を整理して計画を作る。
まず何から見るか
「補助金があるから何かを買う」ではなく、「困っていること→それを解決する投資→それに合う補助金」の順です。記録の二重入力に時間を取られているならICT、入浴介助で職員の腰を痛めているなら省力化機器、B型の製品が売れないなら販路開拓。福祉事業所の課題は現場で明確なので、補助金との相性は本来良いはずです。国と自治体の使い分けはこちら、松戸市の制度はこちら。
当事務所の関わり方
介護・障害福祉の事業所の補助金申請を、指定申請・処遇改善加算・運営指導対応と同じ窓口でお受けしています(顧問クライアントは着手金0円・完全成功報酬、スポットは着手金+成功報酬)。福祉の現場の課題を、補助金の事業計画の言葉に直すのが当事務所の役割です。補助金申請サポート/運営中の事業所さま向け窓口。
参考にした一次資料
- 中小企業庁・各補助金事務局の公募要領・交付規程・手引き(当該公募回の原典で確認)
- 当事務所「補助金申請 実務ガイド(全26章)」(2026年8月版)
- 松戸市「中小企業デジタル化チャレンジ補助金」公式ページ(2026年8月26日更新)
- 中小企業庁「中小企業省力化投資補助金」公募情報(2026年8月18日)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|松戸市・千葉県の福祉事業所の方へ
松戸市内に1年以上の営業実態がある福祉事業所は、松戸市デジタル化チャレンジ補助金(〜令和9年2月27日・補助率2/3・上限50万円)で記録・請求ソフトの導入を検討できます。千葉県内の施設整備補助は、指定権者(千葉県・千葉市・船橋市・柏市)の障害福祉担当に公募時期を確認してください。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
福祉事業所の方に補助金の話をすると、「うちは報酬でやっているので」と言われます。でも、記録の二重入力に毎日1時間かかっているなら、それはICT導入の補助金の典型的な使い道です。現場の困りごとが明確な福祉事業所ほど、補助金との相性は良いと思っています。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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