— 30秒でわかる結論 —

Q. 個人経営の小さな食堂でも、HACCPをやらないといけないのですか?

はい、必要です。ただし身構えなくて大丈夫——小規模な飲食店に求められるのは、厚生労働省のサイトで公表されている業界団体の手引書にもとづく簡易な方式(HACCPの考え方を取り入れた衛生管理)です。手引書には衛生管理計画のひな形と記録様式が付いており、①自店のメニューに当てはめて計画を作る→②毎日実行する→③チェック記録を残すだけ。1日の記録は慣れれば数分です。営業許可の手続きや保健所とのやり取りでも取組を確認されるので、開業準備の一部として最初に作ってしまいましょう。

飲食店開業の完全ガイドの論点⑧で触れた「開業後の衛生管理」を、今日は深掘りします。HACCPという言葉に身構える方が多いのですが、小さな店の実務は、実はとてもシンプルです。

まず安心を——小さな店は「手引書ベース」でいい

HACCPに沿った衛生管理は制度化され、原則すべての食品等事業者の義務になっています。ただし制度は二段構えで、小規模な飲食店に求められるのは「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」——業界団体が作成し公表されている手引書に沿って進める簡易方式です。ゼロから分析する必要はありません。自分の業態に合う手引書を入手するところから始めます。

ステップ①:衛生管理計画を作る——メニューを3つに分けるだけ

計画の中身は2部構成。一般衛生管理(手洗い・器具の洗浄消毒・冷蔵庫の温度管理など、どの店にも共通の項目)と、重要管理——ここが HACCP の考え方の核で、メニューを加熱の仕方でグループ分け(例:加熱しないもの/加熱するもの/加熱後冷却するものなど)し、それぞれのチェック方法を決めます。手引書のひな形に自店のメニューを当てはめれば、計画は数時間で形になります。

ステップ②③:実行と記録——「続けられる仕組み」が本体

計画は作って終わりではなく、毎日実行し、記録を残すところまでが義務の中身です。コツは記録のハードルを下げること——チェック式の日誌を厨房の動線上に置く、閉店作業のルーティンに組み込む、問題があった日だけ特記を書く。記録は保健所立入の際の「やっている証拠」であると同時に、万一の食中毒疑い時に自店を守る記録にもなります。

開業手続きとの関係——最初から一式で作る

営業許可の申請・更新や保健所とのやり取りの中で、HACCPへの取組状況は確認されます。だから当事務所では、営業許可の準備と同じタイミングで衛生管理計画・記録様式まで一式作ることをおすすめしています——開業後に「そういえば」と慌てるより、開業準備の1項目として片付けるのが結局いちばん楽です。計画づくりのサポートも承っています(オンラインで全国対応)。

📍 千葉県ローカルメモ|管轄保健所の確認から

千葉県内では、店舗の所在地により保健所の管轄が千葉市・船橋市・柏市・松戸市・市川市の市保健所と県の健康福祉センターに分かれます。HACCPの取組確認や衛生指導の運用も窓口ごとの実務があるため、出店地の管轄確認から当事務所がお手伝いします。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

衛生記録を「面倒な義務」と捉えるか「店を守る習慣」と捉えるかで、続き方がまるで違います。毎日のチェックは、お客さまへの見えない接客——そう言い換えてくれた店主さんの言葉が、私のお気に入りです。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

プロフィールを見る →