— 30秒でわかる結論 —

Q. 退職者に本音の退職理由を聞いても「一身上の都合」としか言われません。

建前しか出ないのは、聞くタイミングと姿勢の問題であることが多いです。ポイントは3つ——①引き止めと分離する(退職が確定した後に「今後のために教えてください」と趣旨を明確にする)、②犯人探しにしない(人ではなく仕組みを聞く)、③絶対に反論しない(弁明した瞬間、相手は口を閉じます)。質問は「辞めようと最初に思った瞬間はいつでしたか」が特に有効——退職理由の「表向きの答え」ではなく、意思決定の起点が見えます。もう辞める人は、実は一番正直に話せる人。教えてもらう姿勢だけが、その扉を開けます。

人事として15年、たくさんの退職面談をしてきました。断言できるのは、会社を一番正確に映す鏡は、辞めていく人の言葉だということ。ただし、その鏡は聞き方を間違えると曇ります(実務整理)。

大原則——「引き止め」と「学び」を混ぜない

退職面談が失敗する最大の原因は、引き止めの未練を残したまま話を聞くことです。相手は防御的になり、角の立たない建前で切り抜けようとします。退職の意思が固まった後の面談は、「今後の職場改善のために教えてください」と趣旨を宣言して、教わる側に徹する——この分離が、本音の扉を開ける前提条件です。

本音が出る質問5つ(独自整理)

質問何が見えるか
①入社前の期待と、実際に違ったことは?採用時の説明とのギャップ(求人票・面接の改善材料)
②辞めようと最初に思った瞬間は?意思決定の起点(表向きの理由より深い)
③その時、誰かに相談できましたか?相談経路が機能していたか(90日設計の検証)
④うちを友人に勧めるなら何点?理由は?総合評価と、点を下げている具体要因
⑤会社が1つだけ変えるなら、何を変えるべき?優先順位つきの改善提案(去る人の置き土産)

NG3つ——引き止め混在・犯人探し・反論

①引き止め混在は前述のとおり。②犯人探し——「誰が悪かった?」と聞くと、相手は人間関係を守るために口を閉じます。「仕組みの何が働かなかったか」という主語で聞く。③反論・弁明——耳の痛い指摘に「いや、それはね」と返した瞬間、面談は終わります。頷いて、書き留めて、お礼を言う。それだけです。

聞いた後が本番——記録・傾向・そして「1つ変える」

面談の価値は活かして初めて生まれます。型は3段——①個人が特定されない形で記録(質問5つの回答をフォーマット化)②数件たまったら傾向として経営会議へ(「②の答えが繁忙期のシフトに集中している」等)③1つでいいから変えて、現職者に見せる。退職者の声で職場が実際に変わる——それを見た残るメンバーへの定着効果こそ、退職面談の本当のリターンです(離職コストの構造在職者向けにはセルフキャリアドック)。当事務所は外部キャリアコンサルタントとしての退職面談代行(第三者だから出る本音があります)と、記録・改善の仕組みづくりをお手伝いします。

📍 千葉県ローカルメモ|外部代行だから出る本音があります

退職面談を社内でやりにくい小規模事業所では、外部のキャリアコンサルタントが面談を代行する形も有効です。第三者相手だからこそ出る本音を、個人を特定しない改善材料として経営者にお返しします。守秘の線引きはセルフキャリアドックと同じ設計です。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

15年の退職面談でいちばん心に残っているのは「この面談、入社した頃にしてほしかった」という一言です。以来、私は退職面談で聞いた質問を、在職者のキャリア面談でも聞くようにしています。出口の学びは、入口と途中で使ってこそです。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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