— 30秒でわかる結論 —
Q. 創業融資を申し込む前に、やってはいけないことはありますか?
あります。当事務所の創業融資サポートで見てきた「申し込む前にやってしまって審査で不利になった5つ」です。①カードローン・消費者金融の新規借入れ、リボ払いの増加(信用情報で確認され、事業を始める前から生活資金が足りないと読まれる)②税金・社会保険料・公共料金・家賃の滞納(納税証明や領収書を求められることがあり、返済能力の判断に直結)③自己資金の急な移動(通帳の原本で入出金の経緯が確認され、説明できない入金は見せ金と判断される)④融資の目処が立つ前の物件の本契約・高額設備の発注(減額・否決時に撤退できず、「契約したから貸してほしい」は審査の理由にならない)⑤退職のタイミングを融資と無関係に決める(在職中の申込みは給与収入が生活費の裏付けになる)。共通するのは、公庫の担当者が「この人は事業を始める前からお金の管理ができているか」を見ている点です。やってしまっていた場合も立て直しは可能ですが、隠すと立て直せません。面談で発覚した事実は、事実そのものより「言わなかった」ことが評価を下げます。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 創業融資を考えていて、申込みの前に何を気をつければよいか知りたい方
- カードローンや滞納に心当たりがあり、融資に影響するか不安な方
- 物件を先に契約しそうになっている方
創業融資は「申し込んでから」より「申し込む前」で決まります
創業融資のご相談で、計画書を拝見する前に必ず伺うことがあります。「ここ半年で、お金の動きに何か変わったことはありますか」。カードローンを借りた、税金を滞納した、親から一時的にお金を預かった、物件を先に契約した、退職した。こうした「申し込む前の行動」が、計画書の出来より審査に効くことがあるからです。
この記事は、当事務所が創業融資のサポートで見てきた「申し込む前にやってしまって、審査で不利になった5つ」を整理したものです。制度の話ではなく、行動の話です。
やってはいけない5つ
| やってはいけないこと | なぜ効くのか | 代わりにやること |
|---|---|---|
| ①カードローン・消費者金融の新規借入れ、リボ払いの増加 | 信用情報で確認される。「事業を始める前から生活資金が足りない」と読まれる | 申込みの半年前から新規の借入れをしない。既存のものは残高を減らす |
| ②税金・社会保険料・公共料金・家賃の滞納 | 納税証明や公共料金の領収書を求められることがある。滞納は返済能力の判断に直結 | 滞納があれば申込み前に完納するか、分納の合意を書面で取る |
| ③自己資金の急な移動(他人からの一時的な入金、口座間の大きな移動) | 通帳の原本で入出金の経緯が確認される。説明できない入金は見せ金と判断される | 自己資金は本人名義の口座で、貯まった経緯を説明できる形にしておく(見せ金がバレる理由) |
| ④融資の目処が立つ前の物件の本契約・高額設備の発注 | 融資が減額・否決されたときに撤退できない。「契約したから貸してほしい」は審査の理由にならない | 物件は仮押さえと事前相談。融資の内諾後に本契約。三すくみの解き方 |
| ⑤退職のタイミングを融資と無関係に決める | 在職中の申込みは給与収入が生活費の裏付けになる。退職後は事業収入だけで返済する前提になる | 在職中に申し込めるなら在職中に。退職後なら、退職金・貯蓄で生活費の裏付けを示す |
5つに共通するのは、公庫の担当者が「この人は事業を始める前から、お金の管理ができているか」を見ているという点です。創業計画書は未来の話ですが、通帳と信用情報は過去の事実です。過去の事実に不安があると、未来の話は信じてもらいにくくなります。
やってしまっていた場合の立て直し
- ①借入れがある——隠さない。残高と返済状況を計画書の借入状況欄に正直に書き、生活費と事業の返済が両立する根拠を示す。可能なら申込み前に残高を減らす
- ②滞納がある——完納が最善。難しければ分納の合意書を取り、計画書に反映する。放置したまま申し込まない
- ③説明できない入金がある——経緯を書面で説明できるようにする(贈与なら贈与契約書、預かり金なら返金の記録)。見せ金は、認めて計画から外す
- ④本契約してしまった——契約の事実は変えられないので、減額・否決時の撤退コストを計画に織り込み、自己資金で吸収できる範囲かを示す
- ⑤退職してしまった——退職金・貯蓄で生活費が何か月持つかを示し、事業収入が立ち上がるまでの裏付けにする
立て直しは可能です。ただし、隠すと立て直せません。面談で発覚した事実は、事実そのものより「言わなかった」ことが評価を下げます。
申込みの前の自己点検
| 申込みの前に、自分で確認すること | できていれば |
|---|---|
| 直近6か月、新規の借入れ・リボ払いの増加はないか | 信用情報の面で説明が要らない |
| 税金・社会保険料・公共料金・家賃に滞納はないか | 納税証明・領収書をそのまま出せる |
| 自己資金の口座に、説明できない入金はないか | 通帳の原本を安心して持参できる |
| 物件・設備は、融資の内諾前に本契約していないか | 減額・否決でも撤退できる |
| 退職の時期と、申込みの時期の関係は決めたか | 生活費の裏付けを説明できる |
介護・障害福祉の事業者の方へ
障害福祉の開業では、④の「融資前の本契約」が特に起きやすい落とし穴です。指定申請の締切に間に合わせようと物件を先に押さえ、融資が減額されて改修費が払えなくなる。物件・融資・申請の順番は三すくみの解き方で整理しています。
「もうやってしまったかもしれない」という方へ
5つのうち1つでも心当たりがある方は、計画書を書く前にご相談ください。立て直しの方法は、どの項目か・いつの話か・金額はいくらかで変わります。60分の無料相談で、通帳と信用情報の状況を伺い、申込みの時期をいまにすべきか、少し置くべきかを一緒に判断します。相談の段階ではご依頼にならなくても構いません。
当事務所では60分の無料相談をお受けしています。創業融資サポートは着手金33,000円+成功報酬(融資実行額の3.5%・最低110,000円、税込)。相談の段階ではご依頼にならなくても構いません。オンラインで全国対応しています。創業融資・資金調達サポート、またはお問い合わせフォームからどうぞ。
参考にした一次資料
- 日本政策金融公庫「創業支援 Q&A」(自己資金は創業計画全体の中で見られる要素の一つ。2026年9月13日確認)
- 当事務所の創業融資サポートでの相談実務(2級FP技能士・ASJ財務コンサルタント)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|松戸・市川・流山で開業する方へ
創業融資の申込み前の相談は、公庫の支店(松戸・市川など)やビジネスサポートプラザでも受けられます。当事務所の無料相談では、通帳と信用情報の状況を伺い、申込みの時期をいまにすべきか少し置くべきかを、松戸市・千葉県の制度融資との併用も含めて判断します。オンラインで全国対応しています。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
「やってはいけない」と書きましたが、私が実際に見てきたのは、悪意でやった方ではありません。開業の準備で忙しく、お金の動きまで気が回らなかった方です。物件を先に押さえたのも、退職を先に決めたのも、事業を早く始めたい一心でした。だからこの5つは、責めるためではなく、事前に知っておくためのものです。知っていれば避けられる。それだけの話です。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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