— 30秒でわかる結論 —

Q. 社員から「親の介護で退職したい」と言われました。引き止められますか?

まず「退職の話」を「両立の相談」に戻せるかが勝負です。介護離職の多くは、限界まで一人で抱えた末の結論——だから最初にやるべきは引き止めの説得ではなく、事実を聴くこと。①誰の介護で、状況はどの段階か ②仕事にどんな影響が出ているか(時間帯・突発対応)③本人は本当は続けたいのか。そのうえで2つの道案内を——会社の制度(介護休業・休暇・勤務時間の調整など。詳細は社労士と連携して整理)と、外部資源(介護の相談は地域包括支援センターが入口)。「辞める以外の選択肢を一緒に並べてから決めませんか」と伝えられるかどうか——それが中核人材の流出を分けます。

これは介護事業者のお客様との会話から生まれた記事です。「介護施設の私たちですら、自分の親のこととなると、職員は誰にも相談せず辞めていくんですよ」——介護離職は、どの会社にも来る話です(2026年7月時点の一般的整理)。

介護離職の構造——中核社員が、黙って、突然

介護に直面するのは多くが40〜50代——現場を回し、若手を育てている中核層です。そして育児と違い、介護は「おめでたい話」ではないため職場で話題にしにくく、「家庭の事情で迷惑をかけられない」という責任感の強い人ほど、一人で抱えて限界まで黙る。退職届が出た時には、心身ともに消耗しきっている——この構造を知ることが、対策の出発点です。

会社にできる3層の備え(独自整理)

やること
①言い出せる空気「介護に直面したら、辞める前にまず相談を」と経営者が明言。制度の存在を平時から周知
②両立面談の型事実→仕事への影響→本人の望みの順で聴く。その場で結論を出さない
③外部への橋渡し「まず地域包括支援センターへ」という道案内。介護の実務相談は専門機関に

両立面談で聴く順番——事実→影響→望み

①事実:誰の介護か・現在の状況(要介護認定の有無)・主に介護を担うのは誰か。②仕事への影響:朝夕の送迎か・夜間の対応か・突発の呼び出しか——影響の形が分かれば、シフトや業務の調整案が具体化します。③本人の望み:「本当は続けたいのか」を、退職を前提にせず聴く。そしてその場で結論を出さない——「選択肢を並べてから、もう一度話しましょう」と時間を作ることが、疲弊した本人への最大の配慮です(面談の問いの設計)。

「会社が介護を解決しない」——だから橋渡しが支援になる

会社は介護の専門機関ではありません。だからこそ、「介護のことは、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談できます」という一言の道案内が決定的に効きます。介護保険サービスの利用が整えば、仕事との両立の設計は現実になる——介護事業を支援する当事務所だからこそ、この橋渡しの価値を知っています。介護休業・介護休暇など法制度の詳細と就業規則の整備は社労士の独占領域のため、提携社労士と連携して整えます。介護離職対策は福利厚生ではなく、中核人材の流出を防ぐ経営課題——セルフキャリアドックの面談テーマに「家族のこと」を含めておくのも、早期発見の仕組みとして有効です。

📍 千葉県ローカルメモ|「まず包括へ」の1枚案内から始める

松戸・柏・流山エリアの各市には地域包括支援センターが設置されています。従業員向けに「介護に直面したらまず包括へ」という1枚の案内(相談窓口の探し方)を配るだけでも、抱え込みの予防になります。案内資料の作成もお手伝いします。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

介護施設の指定申請を支援しながら、その職員さんの親の介護離職の相談を受ける——この仕事の不思議な巡り合わせです。介護の入口で迷子になる人を減らすこと。それは私の事業の、両方の柱につながっています。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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