— 30秒でわかる結論 —

Q. 補助金の申請で「賃上げを表明すると加点」とあります。表明すべきですか?

数字の裏付けがあるなら表明する価値あり、根拠がないなら危険です。確認すべきは3点——①その賃上げは必須要件か、任意の加点か、②達成の判定方法(給与総額か、1人あたりか、最低賃金との差か)、③未達のときに補助金の返還等のペナルティがあるか。制度によっては未達時に交付額の返還を求める仕組みがあり、「採択のために盛った賃上げ」が数年後に牙をむきます。原資の計算とセットで判断しましょう。

賃上げは政策の最重要テーマになり、補助金の多くが賃上げと紐づくようになりました。それ自体は健全な流れです。ただ、申請の現場では「加点になるなら書いておきましょう」という軽いノリの表明が、後で重い約束に変わることがあります。

まず「必須」か「加点」かを見分ける

公募要領を読むときの最初のチェックは、賃上げが申請の前提条件(必須要件)なのか、任意の加点項目なのか。必須なら満たせない時点でその補助金は土俵外、加点なら「取りに行くか」の経営判断になります。同じ補助金でも枠によって扱いが違うことがあるため、「この枠では」の単位で確認するのが確実です。

「未達ペナルティ」の有無が判断の分かれ目

加点や特例枠の賃上げには、達成できなかった場合に補助金の一部または全部の返還を求める仕組みが設けられていることがあります。ここが最重要チェックポイントです。ペナルティ付きの賃上げ表明は、実質的に「数年間の人件費増を確約する契約」——景気や受注の変動も織り込んで、確実に払える水準かを試算してから書くべきものです。逆にペナルティのない加点なら、挑戦のハードルは下がります。

判定方法の細部で結果が変わる

賃上げの達成判定は、給与支給総額の伸び率で見るのか、1人あたり平均か、事業場内最低賃金の水準か——制度により様々です。たとえば総額基準なら「増員」でも数字が動き、1人あたり基準なら構成の変化(ベテラン退職・新卒採用)で意図せず下がることも。自社の人員計画と判定式を突き合わせたシミュレーションをしてから表明する。この一手間が数年後の自分を守ります。

正しい順番——原資→賃上げ→補助金

本来の順番は、賃上げありきではなく、①粗利改善・省力化で原資をつくる→②持続可能な賃上げ計画を立てる→③その計画が補助金の要件・加点と合致するなら活用する、です。補助金のために賃上げするのではなく、賃上げの計画があるから補助金が使える——この向きで設計すれば、未達リスクは自然と小さくなります。当所は原資づくり(財務)と給与設計(人事)の両面から伴走します。

💬 目加多のひとこと

「加点は全部取りましょう」という支援者には気をつけてください。採択はゴールではなく、数年間の実行の始まりです。私は表明前に必ず「未達になったら何が起きるか」を読み合わせます。盛らない申請は、採択率の数字より、あなたの数年後を守ります。

まとめ

賃上げ要件は「必須か加点か」「判定式」「未達ペナルティ」の3点確認が鉄則。原資の計算とシミュレーションを済ませてから表明を。給与設計と資金計画まで一体で支援します。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の中小企業を支援しています(オンラインで全国対応も可)。

※賃上げ要件の内容・判定方法・未達時の取扱いは補助金・公募回ごとに異なります。必ず最新の公募要領で確認してください(2026年7月20日時点の一般的な整理)。