— 30秒でわかる結論 —
Q. 社員から副業の許可を求められました。認めるべきでしょうか?
「認めるか否か」の前に、「なぜしたいのか」を聴いてください——収入の補填か、スキルの挑戦か、転職の準備か。理由によって会社が打つべき手は全く違います。その上で、頭ごなしの禁止でも放任でもない「申請制の設計」が第三の道です。軸は3つ——①競業・利益相反の回避(同業・取引先はNGの合理性)②情報管理の明確化③健康と労働時間への配慮。この枠内なら認める透明なルールが、最もリスクの高い「隠れ副業」を防ぎます。副業で得た経験が本業に還る例も多く、給与を上げにくい会社の「給与以外の報酬」にもなり得ます。規程の整備は社労士の領域のため、提携社労士と連携して形にします。
「副業を認めたら、辞めていきませんか?」——経営者からよく受ける質問です。私の答えは逆で、認め方を設計しない会社からこそ、人は静かに辞めていきます。今日はその設計の話です(実務整理。規程・労働時間管理の整備は社労士の領域のため提携連携を前提とします)。
まず聴く——「なぜ」で打ち手が変わる
副業の相談は、キャリア面談の絶好の入口です。①収入の補填なら、処遇・手当の設計課題かもしれない。②スキルの挑戦なら、社内で任せられる新しい役割があるかもしれない(スキルマップの③④段階)。③転職の準備なら、引き止めではなく本音を聴く対話の局面です。「なぜ」を聴かずに可否だけ答えるのは、症状を聞かずに薬を出すようなものです。
申請制の設計——3つの軸(独自整理)
| 軸 | 考え方 |
|---|---|
| ①競業・利益相反 | 同業・取引先での副業の制限には合理性がある——範囲を明文化 |
| ②情報管理 | 顧客情報・ノウハウの持ち出し禁止を誓約の形で明確に |
| ③健康・時間 | 労働時間の通算等の管理論点——制度設計は社労士と連携 |
この3軸の枠内なら認める——透明なルールの最大の効能は、「隠れ副業」を防ぐことです。禁止の建前の下で隠れて行われる副業こそ、競業も情報も健康も管理できない最悪の状態です。
副業は「還る」——給与以外の報酬として
副業で得たスキル(デザイン・発信・営業)や人脈が本業に還る例は珍しくありません。挑戦を認める会社という評判は給与以外の報酬の一つであり、採用の場面でも効きます。年1回のキャリア面談で副業の状況と本業への還元を話題にする——管理ではなく対話で運用するのが、中小企業らしい形です。申請書・誓約書の様式づくりと面談の設計は当事務所、就業規則への落とし込みは提携社労士——役割分担で一体的に整えます。
📍 千葉県ローカルメモ|福祉の掛け持ち勤務こそ設計を
介護・障害福祉の現場では、他事業所での掛け持ち勤務が実質的な「副業」として既に一般的です。曖昧な運用を申請制に整えるだけで、シフト調整・健康管理・情報管理が一気にクリアになります。福祉業界向けの設計もご相談ください。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
副業相談の裏にあるのは、お金の話のようでいて「このままでいいのか」というキャリアの問いであることが多い。禁止か許可かの二択で答えると、その問いを聞き逃す——面談者として、いつも自戒していることです。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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