— 30秒でわかる結論 —

Q. 面接で家族構成や結婚の予定を聞くのはダメなのですか?

ダメです。採用選考は応募者の適性と能力を基準に行うのが大原則で、①本人に責任のない事項(本籍・出生地、家族の職業・収入、住宅状況など)、②本来自由であるべき事項(宗教、支持政党、思想、尊敬する人物、購読新聞など)を尋ねることは、就職差別につながる不適切な質問とされています。結婚・出産の予定も典型的なNG(性差別の観点からも)。本当に知りたいのが「シフトに入れるか」「転勤は可能か」なら、その業務条件そのものを全員に同じように聞く——これが適法で、しかも的確な聞き方です。

「悪気はなかったんです」——面接の不適切質問の相談は、たいていこの言葉から始まります。そう、中小企業の面接トラブルのほとんどは悪意ではなく無知から起きる。だからこそ、知れば防げます。

ルールの土台——「適性と能力」以外で選ばない

採用選考の基本原則は、応募者の適性と能力に基づいて判断すること。裏返せば、仕事の遂行に関係のない属性——生まれ・家族・信条——を選考材料にしてはいけない、ということです。行政の指針では、①本人に責任のない事項(本籍・出生地、家族構成や家族の職業、生活環境など)、②本来自由であるべき事項(宗教・支持政党・人生観・尊敬する人物・愛読書など)の把握が、就職差別につながるおそれのある不適切な事項として整理されています。雑談のつもりの「お父さんは何をされてるの?」も、この類型のど真ん中です。

中小企業の「うっかり」典型例

①「ご結婚の予定は?お子さんは?」(女性にだけ聞けば男女差別の問題も重なる二重のNG)、②「ご実家はどちら?」(本籍・出生地の把握)、③「宗教とか、何か信仰は?」、④「持病はありますか?」(業務との関連が説明できない健康情報の収集は慎重に。必要なら入社後の健診・本人申告の枠組みで)、⑤エントリーシートに家族欄——応募書類も同じルールです。厚労省が推奨する様式(新卒なら全国高等学校統一応募用紙など)に家族欄がない理由を、面接官全員が知っている状態にしましょう。

言い換えの技術——知りたい本質を、業務基準で聞く

不適切質問の裏には、たいてい正当な関心があります。それを業務条件の質問に翻訳すればいい。「結婚の予定は?」→「土日を含むシフト勤務ですが、対応可能ですか」。「お子さんが小さいと急な休みが…」→「当社の勤務時間は◯時〜◯時です。継続的に勤務可能ですか」(全員に同じ質問)。「実家はどちら?」→「通勤時間はどれくらいになりそうですか」。ポイントは、①業務との関連が説明できる、②全応募者に同じ基準で聞く、の2点。これで確認の精度はむしろ上がります。

面接は「見られる場」でもある——採用ブランドの防衛

いまの応募者は、面接の体験を口コミサイトやSNSで共有します。不適切質問はその場で辞退されるだけでなく、「あの会社の面接はヤバい」という記録が採用市場に残り続ける——求人広告費で買った応募を、面接官の一言が溶かすのです。対策はシンプルで、①面接質問シートの標準化(聞くこと・聞かないことの明文化)、②面接官が複数いる会社は年1回のすり合わせ、③迷ったら「それは仕事に関係あるか?」と自問する習慣。質問シートのひな形づくりと面接官トレーニングは、人事15年の経験でお手伝いできます。

💬 目加多のひとこと

人事時代、私は面接官デビューする社員に必ず「面接はお見合いです。相手も御社を選考中です」と伝えていました。敬意ある面接は、それ自体が最高の会社説明。聞いてはいけない質問のリストは、応募者を守ると同時に、あなたの会社の評判を守る盾なのです。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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まとめ

面接は適性と能力だけで選考する場。本人に責任のない事項・自由であるべき事項は聞かず、知りたい本質は業務基準の質問に言い換えて全員に。質問シートの標準化から面接設計まで支援します。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の中小企業を支援しています(オンラインで全国対応も可)。