— 30秒でわかる結論 —

Q. NPO法人の設立は、行政書士と司法書士のどちらに頼めばよいですか?

段階で分かれます。所轄庁への設立認証申請(定款・設立趣旨書・事業計画書など10点の作成と提出、縦覧2週間と審査中の補正対応)は行政書士の業務で(行政書士法第1条の2・第1条の3)、認証後の法務局への設立登記の申請は司法書士の業務です(司法書士法第3条第1項第1号)。行政書士は登記の申請を代理できません(同法第73条)。認証の手数料も設立登記の登録免許税も0円で、かかるのは行政書士の報酬(当事務所は200,000円・税込。日本行政書士会連合会の統計の最頻値と同額)、司法書士の登記報酬(事務所により異なり別途)、住民票・登記事項証明書などの実費です。当事務所は認証申請一式と設立後の所轄庁・自治体への届出を担い、登記は提携司法書士へ引き継ぎます。認証書が届いてから2週間以内に登記申請が必要なので、認証の見込みが立った時点で司法書士を決めておくのが要点です(2026年9月27日確認)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • NPO法人を作りたいが、誰に何を頼めばよいか分からない方
  • 「一式20万円」の範囲に登記が入っているか確かめたい方
  • 認証は自分でやって登記だけ頼みたい方

結論——認証申請は行政書士、設立登記は司法書士。ひとりで両方はできません

NPO法人の設立は「所轄庁の認証」と「法務局の登記」の2段階で、認証申請の書類作成と提出代理は行政書士、設立登記の申請代理は司法書士の業務です(制度。行政書士法第1条の2・第1条の3、司法書士法第3条第1項第1号(2026年9月27日確認))。行政書士は登記の申請を代理できず、司法書士は業務として認証申請書類の作成を行いません(司法書士も法務局・裁判所に提出する書類以外の官公署提出書類の作成は行政書士の業務)。つまり「どちらに頼むか」ではなく、どちらの段階を誰に頼むかの問題です(当事務所の見解)。

段階やることできる専門家法定費用
①設計〜認証申請定款・設立趣旨書・事業計画書・活動予算書・役員名簿・社員名簿など10点の作成、所轄庁への提出、縦覧2週間と審査中の補正対応行政書士(申請者本人でも可)0円(認証手数料なし)
②設立登記認証書の到達から2週間以内に法務局へ設立登記を申請。登記事項証明書の取得司法書士(申請者本人でも可)0円(NPO法人の設立登記は登録免許税が非課税)
③設立後の届出登記完了の届出(登記事項証明書と財産目録を添付)、市町村・県税事務所への法人設立の届出、税務署への届出(収益事業がある場合)行政書士(所轄庁・自治体への届出)、税理士(税務署への届出)0円

「一式20万円」と書く行政書士事務所の多くは①と③の所轄庁・自治体分が範囲で、②の登記は司法書士報酬が別途かかります。当事務所も同じ分け方です(当事務所の運用)。

なぜ分かれているのか——行政書士法と司法書士法の条文

行政書士は「官公署に提出する書類」の作成と提出手続の代理ができ(行政書士法第1条の2第1項・第1条の3第1項第1号)、司法書士は「登記又は供託に関する手続について代理すること」ができます(司法書士法第3条第1項第1号)(制度(2026年9月27日確認))。行政書士法第1条の2第2項は、他の法律で制限されている業務は行政書士が行えないと定め、登記申請の代理はこれに当たります。司法書士法第73条は、司法書士でない者が登記の申請代理を業とすることを禁じています(制度)。

所轄庁(千葉県なら県民生活課、千葉市内のみに事務所があれば千葉市)は「官公署」なので、認証申請は行政書士の領域です。法務局も官公署ですが、登記の申請は司法書士(と弁護士)に限られます。行政書士が「登記もまとめてやります」と言ったら、それは提携司法書士に外注しているか、法律違反のどちらかです(制度。当事務所の見解)。

費用はどう分かれるか——行政書士20万円、司法書士は別途、法定費用は0円

NPO法人の設立は法定費用がゼロです。認証の手数料はなく、設立登記の登録免許税も課されません(制度。登録免許税法別表第一はNPO法人の設立登記を課税対象に含めていない(2026年9月27日確認))。かかるのは専門家の報酬と実費です。

項目金額の目安根拠・時点
行政書士報酬(認証申請一式)当事務所は200,000円(税込)。日本行政書士会連合会の報酬額統計(令和2年度)ではNPO法人設立の平均約21.8万円・最頻値20万円当事務所の料金表、日行連統計{CT}
司法書士報酬(設立登記)事務所により異なる。当事務所は提携司法書士の見積りを事前にお伝えする要見積り。金額は本記事では書かない(統計を確認できていないため)
登録免許税0円登録免許税法(NPO法人は非課税)
認証手数料0円NPO法に手数料の定めなし
実費役員の住民票(1通300円程度・役員数分)、法人実印の作成、登記事項証明書(1通600円)・印鑑証明書(1通450円)、郵送費各自治体・法務局の手数料{CT}

「行政書士に頼めば全部で20万円」ではなく、行政書士20万円+司法書士の登記報酬+実費が総額です。見積りを取るときは、登記が含まれているかを最初に確認してください(当事務所の見解)。

自分でやる・行政書士に頼む・司法書士に頼む、3つの組み合わせ

実際の組み合わせは3つで、それぞれ向く人が違います(当事務所の見解)。

組み合わせ向く人注意点
A.認証も登記も自分で時間があり、所轄庁の手引きを読み込める。設立総会や10人集めを自分で回せる認証の差し戻しで1〜2か月遅れやすい。登記は認証書到達から2週間以内で、遅れると認証取消しの対象(6か月放置で取消し)
B.認証は行政書士、登記は司法書士(当事務所の標準)設立の期日が決まっている。指定申請・助成金申請と並行する行政書士が司法書士へ引き継ぐ段取りを最初に決めておく。登記報酬は別途
C.認証は自分で、登記だけ司法書士書類は書けるが、登記の申請書と添付書類(定款・認証書・役員の就任承諾書等)の作りに自信がない認証申請の段階で定款の目的・役員構成を間違えると、登記の段階では直せない

当事務所がBを標準にしているのは、認証の段階で決めた定款の内容が登記の内容を決めるからです。定款の目的・名称・事務所・役員に関する事項は、認証を受けた定款どおりに登記します。認証申請で目的の文言を練っておけば、登記は書き写す作業になります(当事務所の見解)。

— この段階でご相談いただく理由 —

認証と登記は担当が分かれるため、「行政書士に頼んだのに登記が進まない」「司法書士に頼んだら認証の書類は作ってもらえなかった」という行き違いが起きます。当事務所はNPO法人設立サポート(200,000円・税込)で認証申請一式と設立後の所轄庁・自治体への届出を担い、登記は提携司法書士に引き継ぎます。全国オンライン対応で、所轄庁がどこでも進め方は同じです。

準備物:予定する活動の内容、主たる事務所の予定地、役員候補(理事3人・監事1人)、社員10人の目処。60分の無料相談で、総額(行政書士+司法書士+実費)の見積りを出します →

依頼するときに確認する5つのこと

  1. 登記が含まれているか。「一式」の範囲を書面で確認する。
  2. 司法書士への引き継ぎ方。行政書士が提携先を紹介するのか、自分で探すのか。認証書の到達から2週間以内に登記申請が要るため、認証の見込みが立った時点で司法書士に声をかける段取りが必要。
  3. 差し戻し・補正の対応が含まれるか。縦覧2週間と審査の間に所轄庁から補正の連絡が来る。対応が別料金の事務所もある。
  4. 設立後の届出がどこまで含まれるか。登記完了の届出(所轄庁)、法人設立の届出(市町村・県税事務所)、税務署への届出(収益事業がある場合は税理士の領域)。
  5. 10人集め・役員探しは自分でやること。専門家は書類を作れますが、社員10人と役員4人を用意するのは申請者です。ここが集まっていない段階で依頼しても、書類は進みません。

当事務所は、大学で公共経営を学び、自らゼロから10人を集めてNPO法人の設立認証を受けた経験があります。10人集めがどこで止まるかは、書類より先に分かります(作る側の経験。法人名・時期は書きません)。

📗 当事務所の20万円に含むもの・含まないものはNPO法人設立を行政書士に頼むと、何をしてくれるのか、行政書士報酬の統計はNPO法人設立を行政書士に頼む費用の相場、法定費用ゼロの内訳はNPO法人の設立費用は「法定費用ゼロ」にまとめています。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|所轄庁の見分け方(全国共通のルール)

認証申請の提出先は主たる事務所がある都道府県の知事で、事務所が1つの指定都市の区域内だけにあればその指定都市の長です(NPO法第9条)。千葉県内なら、千葉市内のみに事務所がある法人は千葉市、松戸市・市川市・柏市・船橋市などは千葉県(県民生活課)。登記の申請先は主たる事務所を管轄する法務局(松戸市なら千葉地方法務局松戸支局)です。当事務所は全国オンライン対応で、所轄庁への提出方法(持参・郵送・電子申請)は所轄庁ごとに確認して進めます(2026年9月27日確認)。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

「行政書士さんにお願いしたのに、登記の話が出てきて驚いた」という声を聞くたびに、最初の説明が足りていないと感じます。認証と登記は別の役所、別の資格です。私はゼロから10人を集めて認証を受け、そのあと司法書士に登記を頼みました。順番と担当を最初に決めておくと、認証書が届いてからの2週間が慌てずに済みます。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

NPO法人については、明治大学経営学部公共経営学科でNPO・非営利組織の経営を専攻し、自らゼロから社員10人を集めて定款作成・設立総会を経て所轄庁の設立認証を取得した当事者でもあります。手続きだけでなく、人の集め方・目的の書き方・設立後2年目の重任まで、経験にもとづいてお伝えしています。

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