— 30秒でわかる結論 —
Q. 会社の決算期は3月にしておけば無難ですか?
「無難」ではなく「無根拠」かもしれません。決算期は自由に決められます。考える軸は4つ——①繁忙期を避ける(売上のピーク月に決算作業と棚卸しを重ねない)、②初年度を長く取る(設立日の直後に決算が来る設定は、決算コストだけ早く発生して損)、③資金繰り(決算の約2か月後に法人税等の納付=大きな出金。賞与月や納税の他の山と重ねない)、④許認可・入札(建設業は決算後の変更届が毎年必須、経審・入札資格のスケジュールとも連動)。自社の1年のカレンダーから逆算して決めましょう。
設立書類の「事業年度」の欄で手が止まり、「みんな3月だし…」で決めてしまう——その3月末決算、あなたの会社にとって最適である理由を言えますか? 決算期を経営の道具として使う考え方を整理します。
視点①:繁忙期と決算を重ねない
決算月とその翌月〜2か月は、棚卸し・書類整理・税理士とのやり取りが集中します。これを売上の最盛期にぶつけるのは自爆です。飲食店なら12月や3月の繁忙、建設業なら年度末の工事集中——自社の一番忙しい月をカレンダーに書き出し、そこから最も遠い閑散期に決算月を置く。これが第一原則です。
視点②:初年度はなるべく長く
事業年度は最長1年。たとえば7月設立で3月決算にすると、初年度はわずか9か月で決算・申告のコストが発生します。7月設立なら6月末決算にすれば初年度は約12か月——決算1回分の税理士費用と手間を、事業の立ち上げに集中できる期間に変えられます。消費税の免税事業者の期間設計など税務上の論点は提携税理士と詰めますが、「初年度を短く切ってしまう設定はもったいない」という大枠は覚えておいて損がありません。
視点③:納税という「大出金」の月をずらす
決算から約2か月後に法人税・消費税等の納付が来ます。これは年間で最大級の出金イベント。賞与の支給月、労働保険の年度更新、源泉の納期特例の納付月——お金が出ていく月と納税月が重なると、資金繰りの谷が深くなります。年間の出金カレンダーを作り、納税月が単独の山になるように決算期を置く——これだけで毎年の資金繰りが一段楽になります。
視点④:許認可・入札の年間行事と揃える
建設業許可の会社は、決算後に毎年「決算変更届」の提出が義務で、経審を受ける会社は決算日が審査基準日になります。入札参加資格の定期受付時期に間に合う決算スケジュールか、指定申請系の事業なら処遇改善加算の計画・実績報告(年度サイクル)との作業の重なりはどうか——許認可の年間行事表と決算作業がぶつからない配置まで考えると、決算期は完全に経営の道具になります。すでに設立済みの会社も、決算期は定款変更で後から変えられます(税務届出等が必要。実務は提携税理士・司法書士と連携)。「ずっと3月で苦しい」なら、変える選択も検討に値します。
💬 目加多のひとこと
前職で決算対応を担っていた実感から言うと、決算期のズレひとつで現場の疲弊はまるで違います。設立のご相談では、私は必ずお客様の「1年間の忙しさグラフ」を描いてもらう——決算期はカレンダーの余白に置く、が目加多式です。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
プロフィールを見る →まとめ
決算期は繁忙期回避・初年度の長さ・納税の出金月・許認可の年間行事の4視点で逆算。「なんとなく3月」をやめるだけで、毎年の負担が変わります。設立時の設計から決算期変更まで支援します。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の会社設立を支援しています(オンラインで全国対応も可)。
※消費税・法人税等の税務判断は提携税理士と連携して確認します。