— 30秒でわかる結論 —
Q. デイサービスの稼働率は、どれくらいあれば経営が成り立ちますか?
一般論の目安より、自店の「損益分岐稼働率」を計算することが先です。考え方は、①月の固定費(家賃・人件費・送迎費等)を出す、②定員フル稼働時の月間収入から変動費を引いた限界利益を出す、③固定費÷フル稼働時の限界利益=損益分岐稼働率。人員配置の厚い事業所ほどこのラインは高くなります。大切なのは平均値ではなく曜日別で見ること——月水金は満員でも火木の谷が全体を赤字にする、がデイの典型だからです。
デイサービスの経営相談で決算書を拝見すると、答えはたいてい一つの数字に集約されます——稼働率。今日は「なんとなく空きがある」を「数字で埋める」に変える方法です。
なぜ稼働率が命なのか——固定費型ビジネスの宿命
デイサービスの費用は、利用者が1人でも10人でも大きく変わらない固定費(家賃・職員の人件費・送迎車両)が中心です。つまり利用者が1人増えたときの追加コスト(食材等)は小さく、増えた報酬のほとんどが利益に変わる——逆に言えば、空席は「ほぼ丸ごとの損失」。この構造ゆえ、損益分岐点を境に収支が急変します。自店の生存ラインを知らずに運営するのは、高度計なしの飛行です。
損益分岐稼働率の出し方——3ステップ
①月間固定費を集計(家賃・人件費・送迎・水道光熱・リース等)。②フル稼働時の月間限界利益=定員×営業日数×利用者1人あたり報酬(基本+加算の平均)−変動費(食材等)。③①÷②が損益分岐稼働率。たとえばこの値が75%なら、稼働8割で薄利、7割で赤字という自店の地図が手に入ります。ここに曜日別の実績稼働を重ねると、「どの曜日の何席を埋めれば黒字化するか」まで特定できる——打ち手は、ここから逆算して選びます。
埋める打ち手——順番はケアマネ→体験→欠席対応
①空き情報の発信:ケアマネジャーは「今、火曜に空きがある事業所」を探しています。曜日別空き状況を毎月定期で届ける仕組み(FAX・メール)だけで紹介は動きます。②体験利用の設計:見学→体験→契約の転換率を記録し、体験当日のプログラムと送迎の印象を磨く。③欠席時の対応:当日キャンセルの空席に振替を提案できる連絡体制。④加算の見直し:稼働そのものでなく単価側を上げる(入浴・機能訓練系の加算)。定員変更や営業日拡大は固定費も動く大手術なので、①〜④を撃ち切ってからが順番です。
数字を「毎週見る」仕組みに落とす
月次決算で稼働率を知るのでは遅すぎます。おすすめは週次の稼働ボード——曜日×週の稼働実績と、来週の予約状況を1枚で見る運用です。谷が見えたら翌週のケアマネ発信に反映する。この小さなPDCAが回り始めた事業所は、数か月で景色が変わります。当所では損益分岐の計算シートづくりから、ケアマネ向け空き情報レターの設計まで、財務と運営の両面で伴走します。
📍 千葉県ローカルメモ|地域密着型(定員18名以下)の稼働戦略
定員18名以下の地域密着型通所介護は市町村指定で、原則その市町村の住民が利用対象です。商圏が限られる分、市内のケアマネ・地域包括支援センターとの関係密度が稼働率に直結します。松戸市内の事業所なら、市内の居宅介護支援事業所への定期的な空き情報発信を運営の柱に据えましょう。
※2026年7月21日時点の一般的な区分です。個別の管轄・手続きは各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
稼働率のご相談で損益分岐を一緒に計算すると、多くの経営者が「思ったより高い」と驚かれます。でも、ラインが見えた瞬間から打ち手は具体的になる。怖いのは数字ではなく、数字を見ないこと——決算書1期分あれば計算できますので、お気軽にお持ちください。
まとめ
デイサービスは固定費型ゆえ稼働率が損益を決めます。損益分岐稼働率を計算し、曜日別の谷をケアマネ発信・体験設計で埋める——数字の仕組みづくりから運営改善まで伴走します。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の介護事業者を支援しています(オンラインで全国対応も可)。