— 30秒でわかる結論 —
Q. 創業計画書の売上予測は、どう書けば説得力が出ますか?
公式(席数×回転率×客単価)は「最大でいくら入るか」という器の計算にすぎず、審査担当者が知りたい「なぜその回転率が実現するのか」に答えていません。説得力は、①商圏・立地の裏付け(人通り・周辺の集客源)、②集客導線ごとの見込み客数(SNS・看板・紹介・予約サイト…それぞれ何人)、③類似店や前職での実績との比較、④保守シナリオと標準シナリオの2本立て——の積み上げで生まれます。初月から満席の計画より、立ち上がりカーブを正直に描いた計画のほうが信頼されます。
公庫の面談で必ず聞かれる質問があります——「この売上、どうやって作るんですか?」。ここで「席数×回転で計算しました」と答えると、会話が止まります。計算と根拠は別物。数字の裏に物語があるかが、審査の分かれ目です。
公式は「器」、根拠は「需要」
席数×回転率×客単価は、店が物理的に受け入れられる上限を示すだけです。問題は需要側——その席を埋めるお客様が、どこから、なぜ来るのか。「供給の計算」を「需要の証明」で支えるのが売上根拠の骨格です。これは飲食に限らず、建設でも介護でも士業でも同じ構造ではないでしょうか。
需要を証明する4つの材料
①商圏・立地:駅の乗降客数、前面道路の通行量(平日昼・夜・休日で実測)、周辺の集客源(オフィス・学校・病院)。実際に立って数えた数字は、どんな統計より強い。②集客導線の分解:「月200人」ではなく「Instagram経由30・看板通りがかり80・紹介40・予約サイト50」と導線別に置く。導線ごとに打ち手と紐づくので、計画が行動計画になります。③比較対象:前職の店の実績、同業態・同立地の類似店の入り——「自分は前の店で1日◯人を回していた」は最強の実績証明です。④2本立てシナリオ:標準ケースに加え、売上が7割にとどまる保守ケースでも資金が回ることを示す。これは「悲観的」ではなく「準備している」というメッセージになります。
立ち上がりカーブを描く——初月満席の計画は疑われる
開業初月から目標達成、という一直線の計画は、審査側には「考えていない」と映りがちです。実務的には、初月は目標の◯割→3か月で◯割→6か月で軌道という月次カーブを描き、軌道に乗るまでの赤字を運転資金として借入額に織り込む。この「谷を見込んだ設計」こそ、返済可能性の証明になります。
面談で崩れない数字の持ち方
計画書の数字は、聞かれたときに「その数字の出どころ」を一言で言える状態にしておくこと。客単価は「想定メニューの組み合わせで平均◯円」、回転率は「同業態の◯◯を参考に、まず控えめに◯回転」。根拠が言えれば、多少数字が甘くても誠実さは伝わります。逆に、立派な数字でも出どころが言えないと、計画全体の信頼が崩れます。
💬 目加多のひとこと
売上根拠づくりは、実は開業後のマーケティング計画づくりと同じ作業です。導線別に数字を置いた人は、開業後も導線別に検証できる。つまり計画書は融資のためだけでなく、開業後の羅針盤。私は「審査に通る書類」ではなく「開業後に使える計画」を一緒に作りたいと思っています。
まとめ
売上根拠は「器の計算」に「需要の証明」を重ねてつくる——商圏の実測、導線別の分解、実績比較、2本立てシナリオ。数字の物語づくりから面談準備まで伴走します。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の創業を支援しています(オンラインで全国対応も可)。
※融資の可否・条件は金融機関の審査によります。融資の実行を保証するものではありません。