— 30秒でわかる結論 —
Q. 創業計画書は、どの項目から書き始めればいいですか?
様式の上から順に書くのはおすすめしません。書きやすく、かつ全体の整合が取れる順番は——①経歴(自分の棚卸し)→②取扱商品・サービス→③取引先・売上の根拠→④必要な資金と調達方法→⑤事業の見通し(数字)→最後に⑥創業の動機。動機を最後に書くのは、計画全体が固まってからのほうが、具体性のある動機文になるからです。8項目は独立した欄ではなく、「経歴が売上根拠を支え、数字が動機を裏付ける」一つの物語として審査されます。
日本政策金融公庫の創業融資では、指定様式の「創業計画書」を提出します。A3用紙1枚、たった8項目——しかしこの1枚で、あなたの計画の説得力が判断されます。何百枚という事業計画・予算書を作ってきた実務経験から、「埋める順番」というコツを軸に解説します。
なぜ「上から順」に書いてはいけないのか
様式の先頭は「創業の動機」です。ここから書き始めると、多くの人が「昔からの夢で…」という抽象論で筆が止まります。動機は計画全体の要約なので、最後に書くのが合理的。まず手が動く項目から埋めて、部品が揃ってから物語に組み上げる——これがプロの順番です。
ステップ1:経歴——「返せる根拠」の第一部品
審査担当者は経歴欄で「この事業の経験があるか」を見ています。単なる職歴の羅列ではなく、開業する事業に繋がる経験を数字入りで:「イタリアン料理店で調理6年・店長3年(月商400万円の店舗運営、原価・シフト管理を担当)」。この一行が、後の売上計画の信頼性を支えます(面談でも必ず聞かれます)。
ステップ2〜3:商品・サービスと、売上の根拠
取扱商品はメニューと価格帯を具体的に。セールスポイントは「こだわり」の抽象論ではなく、立地×客層×競合との違いで語ります。取引先欄は、飲食など現金商売なら「一般個人」で構いませんが、BtoBなら見込み先の実名(内諾があれば尚良し)が強力な証拠になります。
ステップ4:必要な資金と調達方法——左右は必ず一致
この表は左(設備資金・運転資金の内訳)と右(自己資金・借入の調達)の合計が一致する構造です。設備は見積書の裏付けを取り、運転資金は月の固定費×3か月分程度を目安に。そして右側の自己資金は、通帳で貯めた過程を確認されます。ここで無理な「見せ金」は絶対にしないこと——信頼を失えば計画全体が崩れます。
ステップ5:事業の見通し——計算式で語る
創業当初と軌道に乗った後(1年後など)の売上・経費・利益を書きます。核心は売上の計算式:「席数12×回転1.5×客単価3,500円×25日=月商157万円」。経費側も家賃・人件費・原価率の根拠を添え、利益>月々の返済額になっていることを確認します。ここが崩れていると、他がどれだけ立派でも通りません。
最後に:創業の動機——要約として書く
部品が揃ったいま、動機は具体的に書けるはずです。「◯年の現場経験で得た技術と顧客基盤を活かし、地元◯◯市で△△な店を開く。開業資金は◯年かけて◯◯円を自己資金として準備した」——経験・準備・計画性が3行に凝縮された動機は、それ自体が審査への答えになります。
💬 目加多のひとこと
創業計画書づくりを支援していて感じるのは、これが「融資書類」ではなく「経営の設計図」だということです。書き上げた方は例外なく、面談で堂々と話せるようになり、開業後も「計画と実績のズレ」で経営を語れるようになります。1枚のA3に、それだけの価値がある。書き方の型はこの記事のとおり——あとは、あなたの事業の中身を一緒に言葉と数字にしましょう。
まとめ
創業計画書は「経歴→商品→根拠→資金→数字→動機」の順で、一つの物語として組み上げる。初回相談60分無料で、計画書の下書き診断から数字の根拠づくり、面談リハーサルまで伴走します。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏で創業をお考えの方を支援しています(オンラインで全国対応も可)。
※融資の実行を保証するものではありません。当事務所は融資のあっせん・仲介は行わず、計画書の作成支援等のコンサルティングとして支援します。様式・制度は2026年7月時点のものです。最新は日本政策金融公庫の公式情報をご確認ください。