— 30秒でわかる結論 —
Q. 就労継続支援B型と生活介護を、ひとつの事業所でまとめてできますか?
できます。それが多機能型という運営形態です。就労系(B型・A型・就労移行)同士や、生活介護との組み合わせ、児童系(児童発達支援+放課後等デイ)など、複数のサービスをひとつの事業所で一体的に運営します。人員や設備を共有できるため立ち上げ・運営の負担を抑えられますが、合計定員の下限や定員配分、人員配置の計算、報酬の算定に固有のルールがあり、指定申請の設計段階からの検討が欠かせません。
この記事は制度の解説です。千葉県内の障害福祉サービスの指定申請のご依頼は、料金と流れを専用のページでご案内しています。
ご相談いただくと、こう進みます
- 最初の30分の無料相談で、組み合わせたいサービスと物件の図面、確保できそうな職員を伺い、多機能型にするか単独型で始めるかを一緒に整理します。
- ご依頼後は、指定権者の事前相談に同席し、定員の配分と人員配置の計算を確かめたうえで、多機能型の指定申請の書類を作成します。
- その後は、利用の実態に合わせて定員の配分を変えるときや、サービスを加えるときに、同じ定員と人員の一覧で見直します。
「B型をやりたいが、地域には生活介護のニーズもある」「児発と放デイ、どちらかに絞れない」——そんなとき、二つの事業所を別々に作る以外の道があります。多機能型は、限られた人員と物件で利用者層を広げられる、中小法人にこそ向いた選択肢ではないでしょうか。
多機能型とは——「一体的な運営」の意味
多機能型は、複数の障害福祉サービスを同一の事業所で一体的に行う形態です。代表的な組み合わせは、①就労系同士(就労移行+B型など)、②就労系+生活介護、③児童系(児童発達支援+放課後等デイサービス)。管理者やサービス管理責任者、訓練・作業室などを共有しながら、それぞれのサービスの指定を受けて運営します。
メリット:資源の共有と、利用者の「移行」への対応
最大の利点は、人員・設備という希少資源の共有で立ち上げコストと固定費を抑えられること。加えて経営面で見逃せないのが、利用者の状態変化への対応力です。たとえば生活介護からB型へ、B型から就労移行へ——同じ事業所の中でステップを用意できると、利用者は環境を変えずに次へ進め、事業所は利用者との関係を長く保てます。支援の理念と経営の安定が一致する構造です。
注意点①:定員と人員配置の設計
多機能型には、事業全体としての合計定員の下限や、サービスごとの定員配分、利用実績に応じた人員配置の計算など、単独型にはない設計論点があります。「とりあえず定員は半々」と決めると、実際の利用状況とずれて人員基準や収支が苦しくなることも。地域のニーズ調査から定員配分を逆算するのが設計の肝です。
注意点②:報酬と収支のシミュレーション
報酬単価や加算の体系はサービスごとに異なり、多機能型では定員規模の区分の扱いにも固有のルールがあります。同じ延べ利用者数でも、定員配分によって収入が変わり得る——つまり指定申請の設計がそのまま損益計算になります。開業前に、定員配分ごとの収支シミュレーションを複数パターン作って比べることを強くおすすめします。財務出身の当所が力になれる部分です。
たとえば、こんな場面で迷っていませんか
就労継続支援B型の開業を準備している法人の代表者の方。物件の候補が決まり、指定申請の書類に取りかかろうとしています。
利用を考えている方の話を聞くうちに、作業に通うのはまだ難しく、日中の生活の支援を求めている方もいると分かりました。「同じ場所で生活介護もできれば、どちらの方も受け入れられる」と考え始めています。
ところが、ひとつの事業所でまとめて運営する多機能型には、定員の配分や人員配置の計算、報酬の扱いに独自の決まりがあると聞き、サービス管理責任者をサービスごとに置く必要があるのか、部屋の使い方はこのままでよいのかが分かりません。
このまま定員をなんとなく分けて申請すると、開業後の利用の実態とずれて人員基準を満たしにくくなったり、思ったほど収入が残らなかったりするおそれがあります。
この場面なら、まず多機能型にできる組み合わせかどうかと、合計の定員・定員の配分・人員配置の決まりを確かめます。本文では、その順に説明しました。
当事務所にご相談いただいた場合の進め方
- 1. ご相談の前に手元に用意していただくもの
組み合わせたいサービスの構想(受け入れたい利用者像のメモ)、候補物件の図面、確保できそうな職員の資格と勤務できる時間の一覧、法人の定款、収支の見込みの資料(あれば)をお手元にご用意ください。 - 2. 初回30分の無料相談で一緒に確認すること
組み合わせたいサービスが多機能型にできるか、合計の定員と定員の配分をどう考えるか、管理者・サービス管理責任者の兼務がどこまでできそうかを一緒に確かめます。指定権者に確かめたほうがよい点を、その場で一覧にします。 - 3. ご依頼後の進め方当事務所がやること:指定権者の事前相談に同席し、人員・設備の基準への当てはめを確認したうえで、多機能型の指定申請の書類を作成します。定員の配分ごとの収支の比較や、開業に向けた融資・資金繰りのご相談もお受けしています。定款の目的に足りない事業があれば、その整理もお手伝いします(変更の登記は提携の司法書士が担当します)。お客様にお願いすること:職員の採用と勤務体制の決定、物件の契約、受け入れる利用者像と定員の最終的な決定は、お客様に行っていただきます。
- 4. その後
開業後に定員の配分を変える、サービスを加える、サービス管理責任者が替わるといったときは、同じ定員と人員の一覧で見直し、必要な変更の手続きを準備します。開業1年目は福祉顧問 スタートプランで、随時のご相談をお受けしています。
料金は料金表と料金シミュレーションでご確認いただけます。
💬 目加多のひとこと
多機能型のご相談では、私は「支援のストーリー」と「収支の表」を必ず両方つくります。利用者がどう成長してどのサービスへ進むのか——その物語が定員配分の根拠になり、審査でも銀行でも説得力を持つからです。理念と数字、どちらも妥協しない設計をご一緒します。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)
障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。
前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。
保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで介護・障害福祉の実務情報をほぼ毎日発信しています。
▶ 放デイ・児発の開業支援は専用ページで、基準の骨子・流れ・千葉の申請先までまとめています。
まとめ
多機能型は、資源を共有しながら利用者の変化に寄り添える運営形態。ただし定員・人員・報酬の設計が単独型より複雑です。ニーズ調査→定員配分→収支シミュレーション→指定申請まで一体で支援します。初回相談30分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の障害福祉事業を支援しています(オンラインで全国対応も可)。
※定員・人員・報酬の基準はサービスの組み合わせと自治体の取扱いにより異なります(2026年7月17日時点の一般的な整理)。個別の要件は指定権者にご確認ください。