— 30秒でわかる結論 —

Q. 要件を満たす資格者が見つかりません。知人に名前だけ借りるのはだめですか?

絶対にやめてください。建設業の経営業務の管理責任者や営業所技術者、介護・障害福祉の管理者・サービス管理責任者などの要件は、資格の有無だけでなく「常勤」「専任」——実際にそこで働いている実態まで求められます。審査でも保険加入記録や出勤実態で確認され、名義貸しが発覚すれば許可・指定の取消し、その後の再申請を阻む欠格事由に発展し得ます。名前を貸した側の資格者も処分や信用毀損を免れません。人がいないなら、採用・育成・開業計画の見直しが唯一の正攻法です。

「開業を急ぎたい。要件の人が足りない。知り合いが名前だけならと言ってくれている」——このご相談、実は珍しくありません。お気持ちは理解しつつ、当所でははっきりお断りし、代わりに正攻法の設計をご提案しています。なぜ「名前だけ」が時限爆弾なのか、構造から説明します。

要件は「資格」ではなく「実態」を見ている

許認可が資格者の配置を求めるのは、書類の体裁のためではなく、その人が現にそこで判断・監督することでサービスの質と安全を担保するためです。だから審査・調査では、社会保険の加入記録、出勤の実態、他社での勤務との重複——「本当にそこで常勤・専任か」が確認されます。週1回顔を出す、電話で相談に乗る、では要件を満たしません。名簿上だけの存在は、制度の目的からして最初から破綻しているのです。

発覚したら何が起きるか——「取消し」の先にある欠格

名義貸しは不正の手段による許可・指定の取得と評価され、発覚すれば許可・指定の取消しがあり得ます。恐ろしいのはその先で、取消しを受けると一定期間、再申請ができない欠格事由に該当し、法人の役員にも累が及びます。介護・障害福祉なら報酬の返還、建設業なら進行中の工事と信用の喪失。そして名前を貸した資格者自身も、処分や業界での信用失墜という代償を負います。「バレなければ」の賭けにしては、失うものが大きすぎるのではないでしょうか。

「うっかり名義貸し状態」にも注意

悪意がなくても、実態が崩れて同じ状態に陥ることがあります。専任の営業所技術者が長期離脱したまま、管理者が退職して後任不在のまま営業を続ける、代表が複数拠点の要件者を掛け持ちしている——開業時は適法でも、人の異動で要件割れは起きます。要件者の退職・休職は、変更届の前にまず「要件を満たし続けられるか」の点検を。顧問契約では、この人員要件の定点観測までお引き受けしています。

人がいないときの正攻法

採用:資格者採用は求人票の書き方で結果が変わる領域です(資格手当・役割・裁量を明示)。②育成:実務経験の積み上げや研修で、社内から要件者を計画的に育てる——サビ管の要件研修、施工管理技士の受験支援など、時間はかかりますが最も強い体制になります。③計画の見直し:開業時期を後ろにずらす、要件の軽いサービス類型から始めて段階的に広げる。当所は許認可と人材採用・育成の両面から、この正攻法の設計を支援しています。

💬 目加多のひとこと

名義貸しのご相談をお断りするとき、私は必ず「その資格者を本気で採りにいく求人票」を代わりに提案します。行政書士×人事15年の当所にとって、要件充足は書類の問題ではなく採用と育成の問題。急がば回れの設計こそ、開業後に効いてきます。

まとめ

常勤・専任要件は実態で審査され、名義貸しは取消しと欠格に直結する時限爆弾です。要件者の採用・育成・計画見直しという正攻法を、許認可と人材支援の両面から伴走します。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の中小企業を支援しています(オンラインで全国対応も可)。

※要件・処分の内容は許認可の種類と個別事情により異なります(2026年7月18日時点の一般的な整理)。個別の判断は許可行政庁・指定権者にご確認ください。