— 30秒でわかる結論 —

Q. 社会保険に未加入ですが、建設業許可は取れますか?

原則、取れません。2020年10月の建設業法改正で、適切な社会保険への加入が許可の要件になりました。法人であれば健康保険・厚生年金は従業員数にかかわらず強制適用、労働者を1人でも雇えば雇用保険も必要です。新規だけでなく更新でも確認されるため、「昔取ったから大丈夫」ではありません。どの保険に入るべきかは事業形態で異なるので、申請前の整理が必要です。

「保険料が重いから、許可を取るときだけ何とかならないか」——お気持ちは分かりますが、この要件は回り道ができない設計になっています。むしろ「どの保険に、誰が入るべきか」を正しく整理するほうが、結果的に負担も手続きも軽くなることが多いのです。

2020年10月から「許可の要件」になった

以前は指導の対象にとどまっていた社会保険の未加入は、建設業法の改正により、2020年10月から許可(新規・更新とも)の要件になりました。申請時には保険の加入状況を記載し、確認資料を添付します。未加入のままでは申請が受け付けられない、というのが現在の実務です。

「適切な加入」とは——形態別の整理

入るべき保険は事業形態で変わります。法人は従業員数にかかわらず健康保険・厚生年金が強制適用(社長1人の会社でも原則加入)。個人事業は常時5人以上の従業員で強制適用となるのが原則です。労働者を1人でも雇用すれば雇用保険が必要になります。一人親方は労働者でないため扱いが異なり、労災の特別加入などの選択肢の話になります。自社がどの区分かの判定が出発点です。

元請の現場からも締め出される時代

許可要件になったのと並行して、大手元請を中心に「社会保険未加入の作業員は現場に入れない」運用が広がりました。CCUSの登録でも保険情報は登録項目です。つまり社会保険は、許可のためだけでなく現場に入り続けるためのインフラになりつつある、というのが現場感覚ではないでしょうか。

保険料は「直接取引のためのコスト」として設計する

負担が増えるのは事実です。だからこそ、保険料を織り込んだうえで採算が合う受注構造への転換——許可を取り、元請や公共工事との直接取引で粗利を確保する——とセットで考えることをおすすめしています。社会保険の整備は求人でも効きます。「社保完備」と書けるかどうかで、若手の応募は現実に変わります。

💬 目加多のひとこと

社会保険の相談は、手続き論よりも資金繰りの話になることがほとんどです。保険料負担を月次の資金繰り表に落とし込み、単価交渉や受注構成の見直しまで含めて設計する——許可・財務・人材を一つの窓口で見られる当所の出番だと思っています。なお、保険の加入手続きそのものは提携社労士と連携して進めます。

まとめ

社会保険の適切な加入は、建設業許可の入口であり、現場に入り続けるためのインフラです。自社の形態でどの保険が必要かの整理から、許可申請、負担を織り込んだ資金設計まで伴走します。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の建設業を支援しています(オンラインで全国対応も可)。

※加入義務の判定は雇用形態・人数など個別事情によります(2026年7月17日時点の一般的な整理)。保険手続きは社会保険労務士の業務のため、提携社労士と連携して対応します。