— 30秒でわかる結論 —
Q. 育休から復帰した社員が、1年もたずに辞めてしまいます。何が足りないのでしょうか?
多くの場合、足りないのは制度ではなくキャリアの見通しです。復帰面談が時短勤務の手続きと業務の割り振りだけで終わると、本人には「自分はこの会社でこの先どうなるのか」が見えません。時短だからと補助的な仕事だけを与えられ、成長の実感を失った復帰者は、静かに転職を考え始めます。効くのは、復帰前・復帰直後・半年後の3回のキャリア面談で、両立の調整と「この先」の話を分けて扱う設計です。
採用難の時代に、仕事を知り尽くした経験者が戻ってくる——育休復帰は本来、会社にとって大きなプラスのイベントです。それが1年以内の退職で終わるなら、どこかで設計を間違えています。責めるべきは本人の意欲ではなく、面談の中身です。
「復帰面談」が手続きで終わっていないか
多くの会社の復帰面談は、時短の時間帯、保育園のお迎え、急な休みの扱い——つまり両立の調整で時間切れになります。それ自体は必要です。でも本人が本当に不安なのは、その先。「時短の間、評価はどうなるのか」「昇給・昇格の道は止まるのか」「いつか元の仕事に戻れるのか」。ここに触れない面談は、本人にとって「会社は私の今後に興味がない」というメッセージになりかねません。
「時短=補助業務」という思い込みをほどく
善意の配慮のつもりで、責任の軽い補助業務だけを任せる——これが復帰者のやりがいを最も削る配置です。時間の制約と、仕事の質の制約は別物。短い時間でも中核業務の一部を持ち続けてもらう設計(担当の細分化、ペア体制、会議時間の調整)のほうが、本人の成長実感も会社の戦力も守られます。「何を外すか」を会社が決める前に、「何を続けたいか」を本人に聞く——順番はこれだけです。
3回の面談設計——復帰前・直後・半年後
①復帰前面談(復帰1か月前ごろ):不安の言語化と業務設計のすり合わせ。②復帰直後面談(1か月後):想定とのズレの修正。ここで小さな違和感を拾えるかが分岐点です。③半年後のキャリア面談:両立が軌道に乗ったタイミングで、評価・等級・今後のキャリアの話を正面から。この3回目こそ、上司との1on1に加えて利害のない第三者(キャリアコンサルタント)が効く場面です。上司には言いにくい「実はもっと任せてほしい」「評価が不安」が、外部の面談では言葉になります。
両立支援は「制度」より「運用」で差がつく
時短や看護休暇などの制度は、いまや法律ベースでどの会社にもあります。差がつくのは運用——面談の質、周囲の業務設計、評価の納得感です。なお、育児休業給付や両立支援関連の助成金など雇用保険関係の手続きは社会保険労務士の領域のため、当所は提携社労士と連携し、面談とキャリア支援の設計を担います。
💬 目加多のひとこと
人事時代、復帰者との面談で一番多く聞いた本音は「戦力として見られていない気がする」でした。配慮と期待は両立します。むしろ期待のない配慮は、本人には冷たさとして届く——これが現場の実感です。復帰者のキャリア面談、外部の面談者としてお手伝いします。
まとめ
育休復帰者の早期離職は、両立の調整だけで終わる面談と、キャリアの見通しの不在から生まれます。復帰前・直後・半年後の3回設計と、第三者面談の活用を。セルフキャリアドックの一環としての導入も支援します。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の中小企業を支援しています(オンラインで全国対応も可)。