— 30秒でわかる結論 —
Q. 離職率はどう計算するのが正しいのですか?
広く使われる基本式は「一定期間の離職者数 ÷ 期首の在籍者数 × 100」です(例:期首20名で年間3名退職なら15%)。ただし、この全社の一つの数字だけを見ていると実態を見誤ります。おすすめは3つへの分解——①入社1年以内の早期離職率、②部署・上司別、③在籍年数別。どこで人が辞めているかが見えると、打ち手は自然に絞れてきます。
「うちの離職率、高いんですかね?」——このご質問には、実は答えにくい理由があります。分母と期間の取り方で数字が変わるうえ、全社平均は問題を隠すからです。測り方から整えましょう。
まず計算のルールを固定する
基本式は「期間中の離職者数÷期首在籍者数×100」。大事なのは式そのものより、毎年同じルールで測り続けることです。パート・アルバイトを含めるか、定年退職を含めるか——自社なりの定義を決めて固定すれば、他社比較より意味のある「自社の推移」が見えてきます。
3つに分解すると、打ち手が見える
①早期離職率(入社1年以内)が高いなら、問題は採用のミスマッチか受け入れ(オンボーディング)にあります。②部署別・上司別で偏りがあるなら、業務負荷かマネジメントの問題。③在籍3〜5年層が抜けるなら、キャリアの頭打ち感や処遇の問題が疑われます。同じ「離職率15%」でも、どこで起きているかで処方箋はまったく別物——分解こそが分析です。
数字の次は「理由」。ただし退職面談には限界がある
退職者が会社に語る理由は、角の立たない建前になりがちです(「家庭の事情で」)。本音は、辞めると決める前にしか聞けない——これが退職面談の構造的な限界だと感じています。だからこそ、在籍中の定期面談や、利害のない第三者によるキャリア面談(セルフキャリアドック)が、数字の裏にある理由を拾う装置として機能します。
目標は「ゼロ」ではない
離職率ゼロを目標にすると、辞めるべき人が辞めない・処遇を歪めてでも引き止める、という別の問題を生みます。目指すのは「辞めてほしくない人が辞めない」状態——たとえば「早期離職率を◯%以下に」「中核層の想定外退職を年◯名以内に」のような、絞った指標のほうが経営の道具になります。採用コストとの対比で定着投資の予算を決める発想も有効です。
💬 目加多のひとこと
人事時代の実感ですが、離職の数字を役員会で「率」で報告すると議論が抽象的になり、「顔と名前」で報告すると急に真剣になります。数字は問題の場所を特定するレーダーで、解決するのは面談と処遇の設計。レーダーづくりから面談の仕組みまで、一体でお手伝いします。
まとめ
離職率は「同じルールで測り、3つに分解し、理由を在籍中に拾う」。この3点で、感覚の議論が経営のマネジメントに変わります。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の中小企業の定着支援を行っています(オンラインで全国対応も可)。