— 30秒でわかる結論 —
Q. 求人票に「35歳まで」と書いてはいけないのですか?
原則、書けません。労働施策総合推進法により、募集・採用における年齢制限は原則禁止です(長期勤続によるキャリア形成のための若年者採用など、法令で認められた例外はあります)。でも大切なのは法律論の先——「若い人が欲しい」の中身を分解すると、実は体力、習得スピード、賃金水準、長く働いてほしいといった「要件」に翻訳できます。要件で書けば法律も守れ、応募母数はミドル・シニアにまで広がる。人手不足時代の採用は、ここで差がつきます。
採用のご相談で「ぶっちゃけ、若い人が欲しいんです」と打ち明けられることがあります。責める話ではありません。ただ、その言葉のまま採用を設計すると、法律のリスクと機会損失を同時に抱えることになります。翻訳の仕方をお伝えします。
まず法律の整理——年齢制限は「原則禁止」
労働者の募集・採用では、年齢にかかわりなく均等な機会を与えることが法律で義務付けられており、年齢制限は原則禁止です。例外として認められる場合(定年年齢を上限とする場合や、長期勤続によるキャリア形成を図るための若年者等の募集など)は法令で限定的に定められており、該当するなら求人票に理由の明示が必要です。「なんとなく35歳まで」は、ハローワークでも求人媒体でも通りません。
「若い人」の中身を分解してみる
「若い人が欲しい」と感じる理由を掘ると、だいたい次のどれかに行き着きます。①体力のいる仕事だから→「20kg程度の資材の運搬がある業務です」と作業要件で書く。②覚えることが多いから→「未経験から6か月の研修で習得いただきます」と習得プロセスで書く。③賃金テーブルの都合→賃金と等級の設計の問題であって年齢の問題ではない。④長く働いてほしい→勤続は年齢より定着の仕組みで決まる(実際、若手ほど転職市場では動きやすい時代です)。翻訳してみると、年齢そのものが要件だったケースは、ほとんどありません。
要件で書くと、母数が広がる
「35歳まで」と書けば、40代の経験者も、体力に自信のある50代も、最初から来ません。「資材運搬あり・未経験可・研修6か月」と書けば、要件を満たす全年齢が候補になります。応募が来ないと嘆く中小企業の求人ほど、見えない年齢フィルターで自ら母数を絞っていることが多い——これは人事15年の実感です。ミドル・シニアの採用がうまい会社は、例外なく「要件の言語化」がうまい会社です。
面接も「要件」で見る
求人票を直しても、面接で「年齢的にどうかな…」と見てしまえば元の木阿弥です。要件を評価項目に落とし、誰が面接しても同じ物差しで見られる状態にする——構造化面接の考え方です。年齢の思い込みから自由になった会社は、採れる人の幅と、組織の景色が変わります。
💬 目加多のひとこと
人事時代、書類で見送りかけた50代の応募者を現場責任者の一声で採用し、その方が部門の柱になった経験があります。以来、私は「年齢は情報として最も雑な変数」だと考えています。求人票の要件化は、法令対応であると同時に、採用力そのものの強化です。求人票の添削からどうぞ。
まとめ
年齢制限は原則禁止——そして「若い人が欲しい」は、体力・習得・賃金・定着の「要件」に翻訳できます。要件で書き、要件で選ぶ採用への転換を、求人票づくりから面接設計まで支援します。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の中小企業を支援しています(オンラインで全国対応も可)。
※年齢制限の例外事由の該当判断など法令の詳細は、求人内容により異なります(2026年7月17日時点の一般的な整理)。個別のケースはご相談ください。