「決算が近いが、手元のお金で大丈夫だろうか」「利益は出たのに、納税の時期になると資金繰りが一気に苦しくなる」——松戸・鎌ヶ谷・市川・三郷の中小企業の経営者から、決算期前後のお金についてのご相談をいただきます。
決算で利益が出れば法人税などの納税が発生し、その分の現金が出ていきます。ここで備えがないと、黒字なのに資金が足りない、という事態が起こり得ます。本記事では、行政書士の立場から、決算期に備える財務・資金繰りの考え方を整理します。なお、税額の計算や税務申告は税理士の領域であり、ここでは資金の備えという財務の観点に絞ります。
「黒字なのに納税で苦しい」が起きる理由
決算で利益が出ると、それに応じた法人税・住民税・事業税などの納税が発生します。問題は、その納税のタイミングで、手元に十分な現金があるとは限らないことです。利益は帳簿上の数字で、必ずしも同じ額の現金が手元にあるわけではありません。
売上が立っても入金が先、在庫や設備にお金が変わっている、借入の元本返済が続いている——こうした事情で、黒字でも現金が薄くなります。そこへ納税が重なると、最悪の場合は黒字倒産に近い資金ショートの危険すらあります。利益とキャッシュは別物だという前提が、決算期の備えの出発点です。
納税資金は「別に確保しておく」
対策の基本は、納税で出ていくお金をあらかじめ見込んで、別に確保しておくことです。おおよその利益が見えてきた段階で、納税額の目安を税理士に確認し、その分は使わずに取り置く——これだけで、決算期の資金繰りの不安は大きく減ります。
毎月、利益の一部を納税用に積み立てておく方法もあります。決算間際になって慌てるのではなく、期の途中から着地を予測して備えることが、財務の安定につながります。
決算期は「銀行への説明」の好機でもある
決算書は、銀行が会社を評価する最も重要な資料です。決算期は、単に納税するだけの時期ではなく、自社の状況を金融機関に正しく伝える好機でもあります。利益の出方、資金繰りの見通し、来期の計画を整理して説明できれば、いざというときの融資がスムーズになります。
業績が良いときこそ、次の投資に向けた融資の相談がしやすいタイミングです。逆に苦しいときも、早めに状況を共有しておくことが信頼につながります。決算を「報告のための区切り」として活かす視点が大切です。
設備投資や納税の手当てに、融資や補助金も選択肢
納税や設備投資で一時的に現金が必要なときは、融資で手当てするのも一つの方法です。無理に手元資金だけで賄おうとして本業の資金繰りを圧迫するより、計画的に借りるほうが安全なこともあります。返済負担を見極めたうえで、選択肢に入れられます。
また、設備投資をともなう場合は補助金の活用も検討できます。補助金の申請支援は行政書士の業務範囲です(雇用関係の助成金は社会保険労務士の領域になります)。資金の出どころを、自己資金・融資・補助金の組み合わせで設計する発想が役立ちます。
決算を「振り返りと計画」の起点にする
決算は、過去一年の結果が出る区切りであると同時に、来期の計画を立てる起点です。利益がなぜ出たのか・出なかったのかを振り返り、来期の資金繰りの見通しを立てる。この習慣があると、決算期の不安は「備えるべきことの確認」に変わります。
税務申告は税理士が担いますが、来期に向けた財務の計画づくりや資金繰りの設計は、経営者自身が(必要なら外部の力も借りて)取り組む領域です。当事務所は、中小企業の決算期の資金の備えと計画づくりを支援しています。
よくある質問
Q. 納税資金はどれくらい用意すればいいですか?
決算の利益が見えてきた段階で、税理士に納税額の目安を確認し、その分を別に取り置くのが基本です。毎月、利益の一部を納税用に積み立てておくと、決算期に慌てずにすみます。
Q. 黒字なのに決算期にお金が苦しいのはなぜ?
利益とキャッシュは別物だからです。売掛金の入金待ち、在庫、借入の元本返済などで現金が薄くなっているところに納税が重なると、黒字でも資金が不足します。事前の備えが対策になります。
Q. 納税のための借入はしてもいいのですか?
一概に悪いことではありません。手元資金だけで賄って本業の資金繰りを圧迫するより、計画的に短期の融資を使うほうが安全な場合もあります。返済負担を見極めたうえで選択肢に入れられます。
Q. 決算対策(節税)の相談もできますか?
税額計算や節税、税務申告は税理士の領域です。当事務所がご支援するのは、納税資金の備えや資金繰り・来期の財務計画づくりといった財務面になります。必要に応じて税理士と連携します。
まとめ
決算期の「お金の不安」の正体は、利益とキャッシュのズレです。利益が出れば納税で現金が出ていくため、納税資金を別に確保し、期の途中から着地を予測して備えることが大切です。決算は銀行への説明と来期計画の起点としても活かせます。
松戸・柏・流山・鎌ヶ谷・市川・三郷・東京23区を含む首都圏全域の中小企業の経営者の方へ。決算期の資金繰り・財務計画づくりから融資・補助金の活用まで、行政書士/国家資格キャリアコンサルタントである目加多龍行政書士事務所が伴走します。お気軽にご相談ください。