利益は出ているが、いざというときに耐えられるか不安」「内部留保を厚くしたほうがいいと聞くが、よく分からない」——松戸・船橋・川口の中小企業の経営者から、こうした財務のご相談をいただきます。

不況や予期せぬ出来事に強い会社には、共通点があります。それは自己資本が厚いことです。本記事では、行政書士の立場から、自己資本・内部留保の意味と、よくある誤解、厚くしていく考え方を整理します。なお、決算書の作成や税務は税理士の領域で、ここでは経営判断のための見方をお話しします。

自己資本とは——返さなくてよいお金

会社のお金には、銀行からの借入のように「返すお金」(他人資本)と、株主の出資や過去の利益の蓄積のように「返さなくてよいお金」(自己資本)があります。自己資本が厚いほど、借入への依存が小さく、財務が安定します。

その厚さを示すのが自己資本比率です。総資産のうち自己資本がどれだけあるかを示し、高いほど倒産しにくい、安全な会社と見られます。銀行が融資を判断するときも、必ずここを見ます。

内部留保とは——蓄積された利益

内部留保とは、稼いだ利益から税金や配当を引いて、社内に蓄えてきたものの累計です。毎年の利益の積み重ねが、自己資本を厚くしていきます。つまり、利益を出し続け、それを残すことが、強い会社への王道です。

ここで大切なのは、目先の節税のために利益を無理に圧縮しすぎると、内部留保も自己資本も積み上がらないということです。税負担とのバランスはありますが、財務体質を強くする観点では、適正に利益を残す視点も欠かせません(具体的な税務判断は税理士と相談します)。

よくある誤解——「内部留保=現金」ではない

内部留保について、最も多い誤解が「内部留保=ため込んだ現金」というものです。実際には違います。蓄積された利益は、設備や在庫、売掛金などさまざまな資産に姿を変えていることが多く、そのまま使えるキャッシュとは限りません。

だからこそ、自己資本(内部留保)を厚くすることと、手元のキャッシュを確保することは、別々に考える必要があります。「内部留保があるのに資金繰りが苦しい」というのは、決して矛盾ではないのです。

自己資本を厚くする3つの方向

自己資本を厚くする道は、大きく3つです。1つ目は、本業でしっかり利益を出し、それを残すこと。これが王道です。2つ目は、無駄な資産を整理して、効率を上げること。3つ目は、必要なら増資など資本の手当てを検討することです。

日々の資金繰り融資で回しつつ、中長期では自己資本を厚くして財務体質を強くする——この両輪が大切です。補助金を設備投資に活用して自己負担を抑えることも、利益を残す助けになります(申請支援は行政書士の業務範囲です)。

厚い自己資本が、攻めの経営を支える

自己資本が厚い会社は、不況や急な出費にも耐えられ、銀行からの信頼も厚くなります。守りが固いからこそ、思い切った投資や挑戦という攻めにも出られます。財務の安定は、攻めの経営の土台なのです。

自己資本を厚くするのは、一朝一夕にはいきません。毎年利益を出し、コツコツ残していく地道な歩みが、「もしも」に強い会社をつくります。中小企業こそ、この財務体質づくりを経営の視野に入れておきたいところです。

よくある質問

Q. 内部留保とは現金をため込むことですか?
いいえ、よくある誤解です。内部留保は蓄積された利益の累計で、設備や在庫、売掛金などに姿を変えていることが多く、そのまま使える現金とは限りません。自己資本を厚くすることと手元現金の確保は別に考える必要があります。

Q. 自己資本比率はどのくらいあればいいですか?
業種により異なりますが、一般に高いほど財務は安定し、倒産しにくいと見られます。まずは自社の比率を把握し、利益を残して少しずつ高めていくことが大切です。銀行も融資判断でここを重視します。

Q. 節税と内部留保はどちらを優先すべきですか?
バランスの問題です。目先の節税で利益を圧縮しすぎると、自己資本が積み上がりません。財務体質を強くする観点では適正に利益を残す視点も大切です。具体的な税務判断は税理士と相談して決めます。

Q. 自己資本を厚くする相談はできますか?
財務体質の見える化や、利益・資金繰り・融資・補助金を含む資金計画の整理はお手伝いできます。なお、決算書の作成や税務申告、節税の具体策は税理士の領域です。

まとめ

「もしも」に強い会社は、自己資本が厚い会社です。自己資本は返さなくてよいお金で、その源は蓄積された利益(内部留保)。ただし内部留保は現金とは限らず、手元キャッシュの確保とは別に考えます。本業で利益を出して残す地道な歩みが、攻めの経営を支える財務体質をつくります。

松戸・柏・流山・鎌ヶ谷・市川・船橋・三郷・川口・大宮・東京23区を含む首都圏全域の中小企業の経営者の方へ。財務体質の強化や資金繰り・融資・補助金のサポートは、行政書士/国家資格キャリアコンサルタントである目加多龍行政書士事務所が伴走します。お気軽にご相談ください。