こんにちは。行政書士 × 国家資格キャリアコンサルタントの目加多 龍です。

「決算は黒字なのに、なぜか口座のお金が増えない」「むしろ資金繰りが苦しい」——鎌ヶ谷・市川・船橋・松戸の中小企業の経営者から、こうした財務のお悩みをよくいただきます。

利益キャッシュ(手元のお金)は、まったく別の数字です。本記事では、利益とキャッシュがズレる仕組み、資金繰りを安定させる考え方、そして銀行融資と補助金の使い分けを、行政書士の視点で整理します。なお、税務申告は税理士、資金そのもののあっせん・仲介は行いません。当事務所が担うのは事業計画書の作成と融資・補助金の申請サポートです。

「利益が出ているのにお金がない」のはなぜか

損益計算書の利益は、売上から費用を差し引いた「会計上の数字」です。これは手元のキャッシュ(現金)と一致しません。売上が立っても入金は先、仕入や投資では先に現金が出ていく——このタイミングのズレが、「黒字なのにお金がない」の正体です。

まず押さえたいのは、利益とキャッシュは別物だという一点です。ここを混同したまま経営判断をすると、資金繰りで足をすくわれます。

利益とキャッシュがズレる4つの理由

利益とキャッシュがズレる代表的な要因は、次の4つです。

要因何が起きるか
売掛金売上は計上されるが、入金は1〜2か月後。利益は出てもお金はまだ入っていない
在庫仕入で現金は出るが、売れるまで利益にも現金にもならず、お金が寝る
借入金の元金返済元金の返済は費用にならず利益を減らさないが、現金は確実に出ていく
設備投資購入時に現金が一括で出るが、費用は減価償却で数年に分かれるため利益とズレる

特に見落とされやすいのが、借入金の元金返済です。利益が出ていても、返済額が大きければ手元のキャッシュはどんどん減っていきます。

黒字でも倒産する——資金繰りという別の視点

利益が出ていても、手元の資金が尽きて支払いができなくなれば、事業は止まります。これがいわゆる「黒字倒産」です。利益という結果の数字だけを見ていると、この危険が見えません。

必要なのは、これから先のお金の出入りを月単位で見通す資金繰り表です。いつ・いくら入って・いくら出るのかを先に並べると、資金が薄くなる月が事前に分かります。手元資金は月商の1〜数か月分が一つの目安ですが、自社の入金サイクルに合わせて必要額を把握しておくことが大切です。

銀行融資と補助金は「役割」が違う

資金調達というと「融資か補助金か」で迷いがちですが、両者は役割がまったく違います。対立ではなく、組み合わせて使うものです。

銀行融資補助金
返済返済が前提(利息あり)原則返済不要
タイミング必要なときに実行(運転資金にも使える)後払い。採択・実績報告のあとに入金
使い道比較的自由原則、対象経費に限定

補助金は「後払い」である点に注意が必要です。先に経費を支払い、あとから入金されるため、その間の運転資金(つなぎ)を別に用意しておく必要があります。ここで融資が効いてきます。なお、2026年1月施行の改正行政書士法で、補助金の事業計画書作成・申請代行が行政書士の業務として明確化されました(具体的な制度の補助率・上限額は、各制度の最新の募集要領をご確認ください)。

資金繰りを安定させてから、攻めの投資へ

順番が大切です。まず資金繰りを安定させ、手元資金に余白をつくる。その上で、銀行融資と補助金を役割で使い分けながら、設備や人への攻めの投資につなげていく——この流れが、財務の足腰を強くします。

決算書を読み解いて収益構造と資金繰りを見える化し、必要な手当てを一緒に考える。それが、人への投資を続けられる財務基盤づくりの第一歩です。

よくある質問

Q. 黒字なのに資金繰りが苦しいのはなぜですか?
利益は会計上の数字で、手元のお金とは別だからです。売掛金の入金待ち、在庫、借入金の元金返済、設備投資の立て替えなどで、利益とキャッシュは大きくズレます。

Q. 手元資金はどのくらい持っておくべきですか?
一般に月商の1〜数か月分が一つの目安ですが、業種や入金サイクルで変わります。まず資金繰り表で自社に必要な額を把握することが先決です。

Q. 補助金と融資、どちらを使うべきですか?
役割が違うので併用が基本です。補助金は原則返済不要ですが後払い・使途限定、融資は返済前提ですが運転資金にも使えます。補助金が入金されるまでのつなぎを融資で賄う設計もあります。

Q. 融資や補助金の相談は誰にすればよいですか?
事業計画書の作成や申請サポートは行政書士が対応できます。税務申告は税理士の領域です。なお、資金そのもののあっせん・仲介は行いません。

まとめ

利益とキャッシュは別物で、黒字でも資金繰りが破綻すれば倒産しえます。資金繰り表で先を読み、銀行融資と補助金を役割で使い分けることが、財務を安定させる第一歩です。

松戸・柏・流山・鎌ヶ谷・市川・船橋・三郷・東京23区を含む首都圏全域の中小企業の経営者の方へ。財務分析から資金繰り改善、融資・補助金の申請サポートまで、行政書士の目加多 龍がご一緒します。お気軽にご相談ください。